共同募金のシンボル=「赤い羽根」
我が国で共同募金が初めて取り組まれたのは、戦後まもない1947年です。戦争で家族や家を失った子どもたちや被災した福祉施設を支援する「国民たすけあい運動」として始まりました。赤い羽根を使うようになったのは、1947年の第2回目の運動からです。そのころ、アメリカでも、水鳥の羽根を赤く染めて使用していました。それにヒントを得て、日本では、不要になった鶏の羽根を使うようになりました。
赤い羽根は、運動が始まった頃は、寄附をしたことを表す印として使われました。今では、共同募金のシンボルとして幅広く使われています。
法律からみた「共同募金」
共同募金は、「社会福祉法」をよりどころとして進められています。
民間社会福祉事業に必要な資金を集めるため、共同募金運動は、全国的に協調して展開されています。
歳末たすけあい募金も、共同募金の一環
歳末たすけあい運動には、市町村の区域ごとに行う「地域歳末たすけあい」と、NHKと都道府県共同募金会が実施主体となる「NHK歳末たすけあい」があります。
歳末たすけあい運動への寄付金は、困窮世帯などへの見舞金として歳末時期(当年度)に使われ、地域福祉サービス事業などには、原則として翌年度に使われます。
共同募金は、10月1日から3月31日まで
共同募金の運動期間は、厚生労働大臣の告示によって毎年10月1日から翌年3月31日までの6ヶ月間と定められています。12月中は歳末たすけあい募金もあわせて行います。
運動は、北海道から沖縄県まで全国一斉に行われます。
共同募金は、共同募金会が行う募金
共同募金は、国や地方自治体ではなく、「共同募金会」という民間の団体によって、都道府県を単位として行われている募金です。共同募金に寄附したお金は、都道府県内の民間社会福祉に使われ、原則として、県外や国外の福祉活動に使うことはできません。
共同募金は、民間の社会福祉事業や活動を応援する募金
共同募金は、民間の社会福祉の資金として使われます。広域的には、社会福祉施設や県域で活動している団体などにも助成されます。
また、市町村においては社会福祉協議会や地域のボランティアなど様々な福祉活動団体などに助成されます。
共同募金の使われ方については、本会ホームページの「ありがとうメッセージ」をご覧ください。
共同募金は、計画募金です。
共同募金の内、10月1日から始まる一般募金(赤い羽根募金)は、翌年度に実施される民間社会福祉事業へ助成されます。そのため、募金活動の開始前に使いみちの計画と目標額を定めて取り組む「計画募金」として行われます。
目標額を達成するため、募金の多くを占める戸別募金(世帯ごとの募金)では、一世帯あたりの目安額をお示しして協力をお願いする方法が一般的ですが、決して強制するものではありません。
歳末たすけあい募金も、困窮世帯などへの見舞金や翌年度の地域福祉サービスに必要な金額をもとに算出した一世帯あたりの目安額を示して協力をお願いしています。
共同募金の寄付には、税制上の優遇措置がとられます。
個人や企業が共同募金に寄付した場合、税制上の優遇された取り扱いが受けられます。
募金方法の種類
共同募金は、次のような方法で行われています。
- 世帯を対象とした「戸別募金」
- 商業施設の利用客や道行く人に募金をお願いする「街頭募金」
- 企業を対象とした「法人募金」
- 従業員を対象とした「職域募金」
- 児童生徒を対象とし、福祉教育を目的とした「学校募金」
- チャリティイベントによる「イベント募金」
- 戸別募金や職域募金以外に寄せられる「個人募金」
- そのほか、インターネットを通じたクレジットカード募金や商業施設などの募金箱、寄付つき自動販売器で募金することもできます。
共同募金に取り組む市町村共同募金委員会
共同募金は、社会福祉法において都道府県の共同募金会が実施主体となることが定められていますが、市町村ごとに募金活動を行っているのは「共同募金委員会」です。
県共同募金会では、市町村の社会福祉協議会に共同募金委員会の事務をお願いしており、共同募金委員会は、役員会としての「運営委員会」を設置して共同募金の計画をたて、募金ボランティアの協力のもと募金活動に取り組みます。
共同募金を支えてきたのは、ボランティア
共同募金は、募金ボランティアの皆様のご協力で支えられています。
街頭募金を呼びかける子どもたち、学校募金をお世話いただく教職員、戸別募金にまわる自治会の役員、企業や事業所を訪問する民生委員や共同募金委員会の運営委員など、多くの皆様の献身的なご奉仕に支えられて共同募金は成り立っています。
災害ボランティアの支援も行う共同募金
「共同募金会災害支援制度」は、県内外で大規模災害が発生した際、ボランティア活動の拠点となる災害ボランティアセンターの運営を資金面で支援する制度です。
大規模災害の発災に際しては、被災した家屋の掃除や片付け、土砂の除去、避難所の応援など、多くのボランティアの協力が不可欠です。
このようなボランティア活動を効率的に被災者の支援に結びつけるのが災害ボランティアセンターの役割です。
全国の共同募金会では、被災地の災害ボランティアセンターの設置・運営に必要な費用を協調して拠出するため、社会福祉法の定めによって共同募金の一部を準備金として積み立てています。
共同募金は世界43の国や地域で行われています。
民間の募金活動は、19世紀のイギリスで慈善組織協会に寄付金を積み立てることからスタートし、1913年にアメリカで組織だった共同募金が誕生しました。現在、世界の43の国や地域で行われている募金です。
募金の使いみちについて(5つの重点助成分野:「支える人を支える募金」特設サイト)
共同募金会では、寄付していただく皆さんに、募金の使いみちについて具体的なイメージにより理解していただくことを目的として、令和6年度から新たに、これまで共同募金によって重点的に助成してきた活動や、今後重点的に助成していきたい活動を複数の分野として示した「重点助成分野」を設定しています。
このたび、赤い羽根共同募金が重点的に応援したい活動の動画などを紹介した「支える人を支える募金」特設サイトを開設しましたので、ぜひご覧ください。