第2回にしはら地域福祉実践シンポジウム(西原町社協の取り組み)

西原町社会福祉協議会(大城幸哉会長)は、令和元年11月21日、西原町民交流センターさわふじ未来ホールにて「第2回にしはら地域福祉実践シンポジウム」を開催し、町内外から約300名が参加した。

シンポジウムは「今こそ住民の力のみせどころ」をスローガンに、町内4ヵ所の自治会から活動の報告が行われた。

1ヵ所目の西原台団地自治会は、平成24年4月に自主防災組織を結成し、避難訓練を定期的に開催してきた。

その中で、訓練に参加出来ない独居高齢者等が地域と関わりを持てる活動ができるよう、定期的な防災訓練とした「防災カフェ」の取り組みを行っている。

この活動は、防災についての疑問や提案を話し合うことや、ワークショップ、ゆんたく会など様々な内容を展開しており、また女性の視点からみた「避難所運営」にも取り組んでいる。

活動発表をする自治会関係者

2ヵ所目の嘉手苅自治会からは、学校の登下校時の危険性が住民から声があがったことをきっかけに行った区内散歩を通した安全マップ作りについて報告がなされた。

この活動は、子ども達の目線で危険箇所や避難場所の確認をすることを目的に町包括支援センターと企画・実施した。

また、町内にある福祉事業所の協力により、アイマスク体験、車椅子体験も併せて行われた。

安全マップ作りを行ったことで「子ども達が自分自身で身を守る意識の向上や、地域の大人との交流もできた」との成果報告がなされた。

3ヵ所目の平園自治会からは、大雨や台風時に小波津川氾濫が懸念されている地域であることもあり、毎年、避難ルートに沿った避難訓練や、消防、警察も参加して意見交換を行う防災会議について報告があった。

また、公民館前の畑を活用して避難訓練時に行う炊き出し用の野菜栽培を通した「子どもの居場所づくり」も併せて行っているとのこと。

会場の様子

4ヵ所目の西原ハイツ自治会は、地理的に高台に位置した地域であるため、自家用車のない住民にとっては買い物が困難な状況にある。

そのような方々を対象として、自治会では近隣のスーパーへの買い物に車で同行する支援を始めたとのこと。

買い物支援の効果として、「コミュニケーションの場となっている」、「自治会活動への参加・意欲の増加」等があるとの報告があった。

その他にも、自治会以外からの活動報告として西原東中学校の「かなまるボランティア」の活動が紹介された。

「かなまるボランティア」は、生徒による地域貢献活動への意識付けとして「かなまるボランティアパスポート」を発行し、生徒が地域のボランティア活動に積極的に取り組める工夫をしている。発表教諭からは「今後は、福祉教育にも繋げていきたい」との抱負があった。

コメンテーター上地武昭氏

コメンテーターの上地武昭氏(沖縄大学人文学部福祉文化学科教授)からは「これからは『我が事・丸ごと・地域共生社会』へ向けた活動の実践が求められる。『住んでいて良かった』と思える町を目指してほしい」とコメントがあった。