県内の取り組み事例5 南風原町・社会福祉大会シンポジウム

南風原町社会福祉大会でシンポジウム

平成27年11月17日、「第6回南風原町社会福祉大会」(主催:南風原町・南風原町社協)が南風原町総合保健福祉防災センターにて開催され、社会的孤立をテーマとした講話とシンポジウムが行われた。
この大会は「支え合う地域づくりで、社会的孤立を防ごう」をスローガンに掲げ、町内から福祉関係者や住民ら約400名が参加し、会場を埋めつくした。
式典の後、「社会的孤立ゼロを目指して」と題した記念講演があり、かみざと社会福祉研究所
主宰の神里博武氏が講師を務めた。
その中で神里氏は、「社会的孤立の状況は、高齢化・住宅問題・貧困・健康問題・単身問題・社会的つながり等多くの要因が複雑に結びついて発生している。住民の意識としても、他人の事は無関心でいる『公共性の欠如』と『私生活主義』が広がってきているのではないか」と警鐘を鳴らした。
haebaru続くシンポジウムでは、南風原町で支援を行っている行政・社協・学童・自治会長から実施状況について発表があった。
初めに、行政から、生活困窮者の自立支援に関する取り組みについて報告があり、早期把握、見守りのための地域ネットワークの構築や、包括的な支援策から、働く場や参加する場の拡大の必要性が述べられた。
また、社協から、コミュニティソーシャルワーカー(CSW)による町内の世帯訪問で把握したひきこもり高齢者の実態について報告があった。
続いて、学童から、「子供の貧困」に関する課題が提起され、児童期の「つながり」や居場所の確保の重要性が指摘された。
最後に、与那覇自治会から、福祉活動の拠点として、自治会・公民館を中心とした地域支え合い体制づくり事業について報告があった。
県社協では、社会的孤立ゼロに向けた運動を展開しているが、県内の各市町村レベルにおいても社会的孤立をテーマにした講演会やシンポジウムが開かれており、今後もこのような催しも含めた県民への啓発に取り組んでいく考えである。

シンポジスト
前城 充 氏(南風原町民生部こども課長 課長)
島袋 康史 氏(南風原町社協 係長・福祉活動専門員)
山本 隆 氏(学童クラブわんぱく家 主宰)
砂川 美知子 氏(与那覇自治会長)
コーディネーター
神里 博武 氏(かみざと社会福祉研究所 主宰)