令和元年度 小地域福祉ネットワーク実践報告会(南風原町社協の取り組み)

南風原町社会福祉協議会(前川義美会長)は、令和元年12月6日、南風原町中央公民館にて「令和元年度小地域福祉ネットワーク実践報告会」を開催し、町内外から約80名が参加した。

会場の様子

南風原町の「小地域福祉ネットワーク」は、南風原町内20自治会のうち17字自治会で組織化され、住民相互の支え合い活動を積極的に展開されている。実践報告会は、町内各地域で実践されている小地域福祉活動に関する情報共有・情報交換の場づくり等を目的に開催され、2ヵ所の自治会・1地区から報告がなされた。

その活動の中心となるのが、区長や民生委員、福祉協力員であり、「福祉協力員」は、平成24年度にスタートした「地域支え合い体制づくり事業」により、町社協会長から委嘱をうけ、ボランティアとして地域福祉活動を行っている。

新川自治会長 志慶眞 健 氏

1ヵ所目の新川自治会では、「新川ひまわり会」として、毎週木曜日に保育園との交流会やランチ会等の活動に加え、2ヵ月に1回「福祉協力員連絡会」を開催し、福祉マップ作りや見守り活動についての話し合いも行われている。

また、平成30年9月から地域の助け合いの仕組みとして「ちゅいたしきだしき事業」を開始しており、これまでに福祉協力員らによる屋内清掃や病院同行など18件の実績が報告がなされた。

2ヵ所目の神里地区は、餅つき大会や敬老会等の3世代交流事業を通した福祉活動や地域づくりに関する意見交換、福祉マップづくりに取り組んでいる。

神里地区 区長 赤嶺一男 氏

買い物支援を検討したアンケート調査、健康講話「食の課題と改善策」や「男の料理教室」を行ったとの報告がなされた。

また、「孤独死」があったことを字便りで周知したことによって、地域での見守り体制が構築されたとのこと。

3ヵ所目の北丘ハイツ自治会は、平成30年2月に行われた「地域福祉懇談会」で住民の不安や困りごとが多く上げられたことをきっかけに、町社協が募集していた「地域支え合い体制づくり事業」として活動をスタートさせた。

福祉協力員7名で、毎月「連絡会」を開催しており、要援護者の把握や福祉マップに基づく見守り活動等を行っているとのこと。

北丘ハイツ自治会長 宮城調俊 氏

地域福祉懇談会を通して、地域福祉活動を自治会の重要な活動として位置付けることができた等、活動の効果について報告がなされた。

続いて、「地域の支え合い活動」と題して、公益財団法人さわやか福祉財団九州ブロックリーダー阿部かおり氏より、講評と講話が行われた。

阿部氏は、地域活動では「困った人探し」はせず「できること探し」から始めるようアドバイスを行った。認知症の方などは、作業工程を細分化してそれぞれに役割を与えることで「自尊心」を傷つけずに「自己肯定感」を持つことに繋がる、とした。

公益財団法人さわやか福祉財団 阿部かおり氏

また講話では、「高齢になっても社会参加することで『通いの場』ができ元気になる。集まることで地域が繋がり、繋がる地域が町を変える。人々が集まる『通いの場』は、『互助の基盤』となる」と話された。