平成30年度 支え合う地域づくりを考える講演会(南風原町社協の取り組み)

9月23日、南風原町社会福祉協議会主催の「平成30年度支え合う地域づくりを考える講演会」が、町総合保健福祉防災センターで行われた。

制度の狭間にある福祉課題・生活課題への対応について考え、誰もが住みやすい地域づくりを目指すことを目的に開催され、大阪府豊中市社会福祉協議会の福祉推進室室長である勝部麗子氏が講演を行った。

豊中市では、阪神淡路大震災をきっかけに「地域から孤立死を無くそう」と住民ボランティアの見守り活動が始まり、平成16年からは制度の狭間にある方への支援を考えようとコミュニティソーシャルワーカー(以下「CSW」)を小学校区に配置を進めた。

また、市地域福祉計画に基づいて小学校区に「福祉なんでも相談窓口」を設置し、住民自身が地域課題の発見と解決に取り組んでおり、CSWが地域住民と発見した課題は、市役所・福祉施設・地域住民が一同に会する「地域福祉ネットワーク会議」で共有している。そして住民同士では解決が困難な課題には、市の課長級が参加する「地域包括ケアシステム推進総合会議」で提示され、解決に向けて話し合いが行われるとのことであった。

活動事例のひとつに、空き地となっている宅地を無償で借り、農地として活用している「豊中あぐり」があげられた。この「豊中あぐり」は、定年退職後の男性の居場所づくりとして行われており、収穫した野菜は買い物困難者へ移動車両によって販売されている。

講演をおこなう勝部麗子氏

その他にも、大量ゴミの処理についてルール化を図る「福祉ゴミ処理プロジェクト」や携帯電話を使ったネットワーク「徘徊SOSメールプロジェクト」等、プロジェクトは50以上あるという。

数多くの事例に、参加者からは「気づきを行動にすることの大切さを知ることができてよかった」「社協職員としての意義を改めて考えさせられました」との声があった。