糸満社協主催 平成28年度 地域支え合いシンポジウム

県社協から「社会的孤立対策モデル事業」の指定を受ける糸満市社会福祉協議会(上原健市会長)主催の「地域支え合いシンポジウム~誰もが安心して暮らすためにできることは~」が、昨年度3月9日に糸満市社会福祉センターで開催された。

▲シンポジウムの様子

まず始めに、基調講演が行われ、沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい代表理事の金城隆一氏から、子どもや若者の置かれている状況、子どもの貧困とそのリスクについての説明があり、それに対してどのような支援が必要なのかを話された。特に「不登校」は何らかの阻害要因を抱えたまま社会に出てしまうため、社会的孤立になるリスクが高く、より深刻な状況だという。支援段階において、自己肯定感や対人関係力、環境調整等の「個人課題」へ取り組める土台づくりを行うことが最も重要だと語る。

次に、市内で活動する「糸満市くらしのサポートセンターきづき」の主任相談支援員の小那覇氏より、生活困窮者自立相談支援事業の取り組みについて報告があった。「来所を待つよりも訪ねる」という姿勢で気になる世帯へアウトリーチをしていることが特徴であり、行政や事業所を始め、制度の狭間にいる方々の支援に力を入れている。より良い支援へ向け、生活困窮者の抱える多岐に渡る課題に対応していきたいという報告内容であった。

続いて、糸満市立西崎太陽児童センターの金城文子氏から、子どもの居場所運営支援事業の実践報告があった。同センターでは、「地域の子どもは地域で育てる」の視点から、主に子どもの居場所づくり活動を行っている。「誰もが気軽に参加でき、交流し、繋がる場の提供、地域共生のための社会的基盤として定着していく事を目指す」との目標を語った。

ディスカッションにおいては、基調講演を行った金城隆一氏がコメンテーター、鈴木良氏(琉球大学法文学部人間科学科准教授)がコーディネーターを務め、実践報告者らと共に、行政や学校と連携を取る為に行っている事や地域にできる事、事業終了後の自立をどうしていくのか等について議論が交わされ、大変、奥深く充実した会となった。