社会福祉法人のチャレンジ~新たな社会福祉法人像の構築~
「社会福祉法人 豊友会」
1. 法人・施設の概要
法人名 社会福祉法人 豊友会
理事長 森田 勲
事業所名 島添ホーム(自立援助ホーム、ファミリーホーム併設)ホーム長 比嘉恒雄
住 所 与那原町字与那原23-1(児童養護施設「島添の丘」大里村字大里2300)
電 話 連絡先:945-3411(島添ホーム) 946-3331(島添の丘)
2. 事業の実践概要
・事 業 名
児童自立生活援助事業
児童養護施設分園型自活訓練事業
・事業内容
〈児童自立生活援助事業〉児童の自立援助を図る観点から、児童養護施設や児童自立支援施設等を退所し、就労する児童に対し、共同生活を営むべき住居(自立援助ホーム)において、相談その他日常生活の援助及び生活指導を行い、社会的自立の促進を図る。
〈ファミリーホーム〉(児童養護施設分園型自活訓練事業)併設
主に高校3年生を対象に、自立生活の訓練を行う。
・財 源 県補助事業
・開始年月日 平成4年12月1日
・住 居 借家( RC2階建て、178㎡ )
3.実践に至った経緯と現状、課題
豊友会(児童養護施設 島添の丘)が「児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)」「児童養護施設分園型自活訓練事業(ファミリーホーム)」の2つの事業を始めたのは平成4年のこと。今年で13年目を迎える。
沖縄県児童養護協議会が実施した、養護施設退所児童の追跡調査の結果、「本当は沖縄で働きたいが本土に行くしかない」「住み込みができる仕事にしか就けず長続きしない」等、卒園児の就職定着率の低さが浮き彫りとなった。これを受け、施設を卒園していく児童が、良き社会人となるための自立生活指導や職場開拓、安定的な就労の斡旋を図ることを目的として、県(国)からの補助金により県内では初めてとなる2つの事業が開始された。
本来は、自立援助ホームとファミリーホームは別の事業であるが、同じ敷地内で行うことによって、3名の児童指導員(内2名は非常勤)の配置が可能となり、双方を効率的に運営することができる。この方式は、全国から「沖縄方式」と呼ばれ、特徴ある運営形態として注目を集めている。
現在、島添ホームでは11名(16歳~21歳)の児童に対し、社会的に自立するために必要な生活指導、および児童を安定した職場に就かせるための援助を行っている。また、与那原町の大綱引き使う綱作りを手伝ったり、地域の運動会の選手として参加したりと、地域との関わりも大切にしている。
取り組みの中で抱える大きな課題は各児童に適した職探し。職業訓練が十分でないために職業に対する自覚が芽生えにくく、職場体験も少ないという現状がある。長期的に、安定した職に就くためには、受け入れ先となる企業等の理解を得て、事前の職場体験活動を行う必要がある。そこでは職員だけではなく事業主の方、地域の方と一緒に、子ども達を育てる・支援するという意識を持つことが大事になっている。
4.今後の展望
島添ホームでは、独自の運営方法を活用して、ファミリーホームにいる間に、さまざまな職場体験・職業訓練をさせて、自立援助ホームに移る段階で、自分の働ける職種を見つけてもらいたいと思っている。そのためには、就労先の企業等が社会貢献活動として、当該児童の雇用や社会人となれるような育成支援等にも特段のご協力・ご尽力をいただけるように啓発し、社会資源の活用や支援システムを構築していく必要がある。
5.今回のチャレンジに思う
島添ホームは、自立生活訓練や就労斡旋を行う自立生活援助事業を県内の児童養護施設等の総意のもとに、先駆的に事業を展開し、職員の皆様が親代わりともなって、多くの児童を社会に送り出している。社会福祉法人豊友会では、今後とも役職員の皆様が一丸となり、長年培ってきた専門性を生かしつつ、対象児童が身近な地域の方々を始め、関係機関・団体、企業等のご理解とご協力、ご支援を得ながら、社会人として心豊かに、逞しく自立していけるように支援するための本事業を積極的に推進していくこととしており、他の社会福祉法人でも新たな事業を展開していく上で、大きな示唆を与えてくれている。
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福祉情報おきなわVol.95(2004.5.1) |
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