(おおぐすくはなさかじじぃかい)
今年10月で結成10周年を迎える大城花咲爺会は、世界遺産中城城跡に隣接する北中城村大城地域の景観づくりの立役者である。地元を愛する55歳以上の男性会員25名が、毎月2回、県道146号線沿い約1.1キロの道路周辺と集落内の美化・植栽活動を行い、ランをはじめ季節の花々が咲き誇る緑あふれる地域づくりに取組んでいる。
右手にスコップ、左手に缶ビールを合言葉に活動するボランティア団体であるとのことだが、個人の趣味の範囲から地域貢献という結果を生み出すに至るには、「活動を強制せず、協力者が少ないことをもって相手を批判しないこと」「応援団の力を借りること」「外部の評価を受けること」
など、これまでの活動の中から生まれた不文律によって積み重ねてきた歴史がある。
会の活動が住民に認知され、評価が高まっていく中、平成13年度の区民総会で会が主導して作成した「大城の地域づくり構想」が採択された。これは、会のメンバーのみならず「花と緑に囲まれた芸術の里づくり」をコンセプトに区民が協力して景観づくり・モノづくり・人づくりを一体となって進めることを確認し、目指すビジョンの共有化を図ったものであったが、住民一人ひとりの趣味や知識、技術等の力を全体の力にし、地域の力を高めるという点で功を奏している。
テラコッタの彫刻作品が置かれた地域の多目的広場では、梅雨明けの満月の頃に「ムーンライトコンサート」を、芸術の秋には地域全体を美術館に見立てた「スージグヮー週末美術館(今年は、11月7日、8日開催)」が開かれ、村内外から多くの人が足を運び、にぎわいをみせており、地域の魅力を高めている。
黙々と土を耕し、種をまき、草を刈るというメンバーらによる地道な活動があってこそのイベントの成功。それを支える彼らは、世界遺産のある故郷を護っているという誇りを持って活動しているように感じた。
▲コスモスの植付けの準備に土を耕し、肥料をまくメンバー