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福祉情報おきなわVol.124(2009.3.1)
編集発行 沖縄県社会福祉協議会  沖縄県福祉人材研修センター
 沖縄県共同募金会  沖縄県民生委員児童委員協議会
〒903-8603 那覇市首里石嶺町4-373-1 TEL098(887)2000 FAX098(887)2024



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 現在、障害者の就労分野はまだまだ限られているが、那覇市内の知的障害者授産施設「そてつ」の分場である「そてつの実」において、新しい事業が始まっている。「そてつの実」では、ドーミングまたはポッティングと呼ばれている一連の作業をドロップスアート沖縄(那覇市)より受注を受けている。ドロップスアート沖縄の金本雄二さんによると「ドーミングとは、ロゴや図案などのシール状の表面に、ウレタン樹脂をドームのように盛り、コーティングする加工技術」であり、金本さんは株式会社吉田製作所で技術開発に4年間携わった。最新の技術を駆使して、様々な形状のドーミングを試みたが、ウレタン樹脂は放射線状に広がっていくため、尖った模様や細かい形状に機械では加工することが難しいという壁にぶつかった。また、大量生産ではなく、オリジナルな形状の受注を引受けてくれる業者探しに苦労していた。そこへたまたま共通の友人を介して「そてつの実」支援課主任の盛島光司さんにその話が伝わった。盛島さんは一部の障害者には細かい部分にもこだわって作業をする方もおり、その特徴を生かす事が出来るのではないかと話に加わった。

 その後、話は順調に進み、2年間のデータ収集を経て、本格的に事業を始めようとしているとのことである。データ収集の際に、ウレタン樹脂でのドーミング技術が様々な素材へ使用できることが分かり、可能性が広がった。その反面、ドロップスアート沖縄とそてつの実、両方の方向性を定めるのに時間が掛かったという。今は、そてつの実オリジナルの製品を作りだせないかと検討中である。手作業だからこそ出来る形で個人の個性を出せる(例えば形は一定だが、模様や色等を個人の希望にあわせる等)オリジナルな製品を日々開発中である。

 現在「そてつの実」では、5人の利用者が午後1時半から4時まで作業を行っている。途中、利用者が根を詰めすぎないように、盛島さんが声をかけたり、休憩時間を決めたりと、自分のペースで作業をしているが、利用者は飽きる様子も無く、黙々と作業を行っていた。地道で忍耐や集中力が必要な作業だが、加工技術を学べば、手を動かせる人であれば、誰でも出来る作業であり、高齢者や障害者の新しい就労として広がっていけばと盛島さんは語ってくれた。2月には新しい場所でドーミング作業を本格的に稼動予定で、作業者を現行の5人から20人と増員できればとの熱い思いは尽きない。金本さんも今回のように「企業が最新の技術をオープンにする事で、企業が地域との新しい関係が築け、互いに無限の可能性が広がった。これからの企業と地域とのモデルケースになるのではないか」と語られた。

問合せ先  社会福祉法人そてつの会
        那覇市古波蔵4-7-14 電話:098-853-0640

         ガジキジよりお願い 

 読者の皆さん、こんにちは。 
 県総合福祉センターのガジキジだよ。
 この、「ほっとニュースTOPICS」では、皆さんの周りにある、福祉に関する「ほっと」な情報を取り上げているよ。
 もし、「ほっと」な情報があれば、沖縄県社会福祉協議会に連絡してね。
 ぼくも福祉センターで皆に会えるのを楽しみにしているよ。

☆☆ガジキジは沖縄県総合福祉センターのキャラクター「ガジュマルキジムナー」の愛称です。☆☆

 本会では、判断能力が不十分な方を対象として、日常的な金銭管理や福祉サービスの利用支援などを行う地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)を実施しています。

 この事業は、知的障害者や精神障害者、認知症高齢者などの方々の地域生活を支援する事業として、平成11年よりスタートし、平成21年1月末現在、県内で412名の方が利用をされています。

 地域で生活する知的障害者や精神障害者、認知症高齢者などの方々は、その障害の特性等により、日常生活を営む上で様々な支障(バリア)があります。地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)では、その当事者が地域で自立して生活ができるように、福祉サービスの手続きに関する情報提供や様々な手続きの代行、家賃や公共料金、福祉サービス利用料などの振込みのお手伝いを本人との契約により実施しています。

 社会福祉協議会としては、地域にお住まいの方々の中から、業務を行っていただく上で相応しいと判断された方々を「生活支援員」として登録をさせていただいています。

 現在、県内各地域で141名の方々に「生活支援員」として活動をしていただいておりますが、地域によっては、生活支援員が不足し、支援に支障がでている現状があります。

 そこで、本会では、県内7箇所の基幹的社協(名護市社協、沖縄市社協、浦添市社協、那覇市社協、豊見城市社協、宮古島市社協、石垣市社協)で登録をさせていただく「生活支援員」を急募しています。

 この事業は、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことのできる地域社会の創造に貢献をする事業とも言われています。障害者や高齢者の地域生活を支える社会貢献を希望される多くの方々の応募を呼びかけます。

 応募の概略は、下記のとおりです。

業務内容:事業担当者(専門員)の指示により利用者への具体的援助や補助的業務を行います。

勤務時間:1ヶ月に1回~4回程。
        1回1時間~2時間程度の活動です。(担当する利用者の状況によって異なります。)

生活支援員として担っていただいている方々の例
 定年退職者(元行政職員・元銀行員・元会社員など)、かりゆし長寿大学卒業生、元民生委員、主婦の方々など。

※詳しくは、お住まいの市町村社会福祉協議会の担当者にお問い合わせください。

障害者に新たな就労分野を
      「そてつの実」の取り組み

急募!
地域福祉権利擁護事業(日常生活自立支援事業)
生活支援員が不足しています。

ほっとニュースTOPICS

受賞!第十三回防災まちづくり大賞
“災害時避難所生活シミュレーション「避難所」から「生活の場」へ”

 本会では、平成19年度に郵便事業株式会社の年賀寄附金を受け、『災害被災者支援力パワーアップ事業』を行いました。そのなかで、モデル地区として指定した宜野湾市社会福祉協議会と伊佐自治会区とともに、津波を想定した避難訓練や、災害時避難所生活シミュレーションなどを実施してきました。

 その取り組みが評価され、このたび総務省消防庁などが主催する『第13回防災まちづくり大賞』の『消防科学総合センター理事長賞』に選ばれました。この賞は、地域の防災力を高めるためには、まちづくりや住民生活等のあらゆる面において防災に関する視点を盛り込むなどハード・ソフトの両面から防災に配慮したまちづくりをすることが大切であるということを趣旨にしています。行政や地域のコミュニティ、NPO、地域団体、大学、事業所などが防災について行う取り組みのなかで、「創意工夫を凝らした取組」「継続的なもの」「地域独自の取組」の特に優れたものを表彰しています。

 今回の評価されたポイントは
〇住民が主体となった取組である 
〇地域福祉に取組む社協が「災害」について住民とともに取組んでいる
〇防災というとハード面に注目しがちだがソフト面でのまちづくりの視点がある

 また、モデル事業終了後も、『避難ビル』の選定や、要援護者マップ作成に向けて、自治会、市社協、宜野湾市の連携が続いています。大賞受賞という評価を受けることで励みに感じるとともに、沖縄からは応募も受賞も初!ということで、今後も災害への取組みについて他の市町村にも広げていきたいと感じています。

★防災まちづくり大賞とは・・・
 平成8年度創設。今年で13回目。主催は消防庁、(財)消防科学総合センター、住宅防火対策推進協議会。表彰の種類は、総務大臣賞、消防庁長官賞、消防科学総合センター理事長賞、 あわせて10事例ほどが選ばれる。過去の受賞事例は以下のHPで見ることができる。
http://www.isad.or.jp/cgi-bin/hp/index.cgi