お知らせ
 平成19年度より生活福祉資金制度が一部変わります。

1 要保護者向け長期生活支援資金制度を創設

 
この制度は、高齢の夫婦などで評価額が500万円以上の住居用不動産を持ちながらも生活維持が困難で、そのままだと生活保護に該当する世帯に対し住居用不動産を担保に生活資金の貸付を行います。
貸付資金が一定額(評価額の7割)まで達したとき、または、債務者が亡くなった場合に、不動産を売却して返済を行います。
 この制度は、資産を持ちながらも、子や親類などの扶養義務者がいない、または扶養義務者では生活維持が困難な場合に有効だと考えられ、借入をしながら、これまでの住居に住み続けられることが特徴です。


2 緊急小口資金の貸付上限額を変更
 
これまで、緊急かつ一時的に生活が困難になった世帯に貸付を行ってきた資金ですが、平成19年4月より限度額が5万円から10万円に上がりました。これは、生活の維持のために世帯が多重債務に陥ることを未然に防止する観点から引き上げられました。
しかし、本資金を利用して他の負債返済にあてるものではなく、あくまでも生活維持のための緊急で一時的にお金が必要なときに貸付を行うものです。
 
詳しくは本会、または市町村社会福祉協議会まで。




 成年後見制度利用支援の現状
 「高齢者・障がい者の権利擁護体制整備に関する状況調査」から
 判断能力が不十分な高齢者や障害者の福祉サービスの利用援助や日常金銭管理の支援として、「日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)」が定着してきています。一方で、悪徳商法による消費者被害や金銭搾取等の虐待問題等、対応困難な事例も増加し、成年後見制度との連携による権利擁護活動が求められています。

 本会では、地域住民への権利擁護相談をスムーズに展開するために、県内41ヶ所の各市町村での成年後見制度利用支援の状況を中心に「高齢者・障害者の権利擁護体制整備に関する状況調査」を実施し、38ヵ所から回答を得ました。

 今号では、調査結果の概要の一部について報告いたします。


相談窓口設置は53%
 権利擁護に関する相談窓口設置状況について「設けている」と回答したのが20ヵ所(53%)、「設けていない」が18ヶ所と両極に分かれた。「設けている」と回答した多くの市町村では専用の窓口や相談日を設置しているわけではなく、担当課にて、相談ごとに随時対応しているなど、業務の一環として相談支援をしている。権利擁護に関する相談(地域福祉権利擁護事業等)における当該市町村社協との連携状況については、「月に1~2回程度連携を取っている」市町村は1割程度であり、相談があまり多くない状況がうかがえた。一方で、相談がある場合は頻回に連携し対応している。また、窓口の広報については、「ホームページや広報紙へ掲載をしている」などの回答が挙げられた。


「市町村長申立て要綱整備」は、15ヶ所40%
 本来、成年後見制度の申立人は4親等内の親族となっているが、本人に身寄りがない場合は、市町村長が申立人となることができる。県内での市町村長申立ての要綱整備をしているのは15ヵ所(40%)。そのうち平成15年度以降、申立て実績があるのは、13ヵ所(34%)となっている。最も実績の高かったのは沖縄市で9件。検討したが申立てに至らなかったケースも多く見受けられた。市町村長申立てのニーズの状況は、「あまりない」と回答したのが57%と、相談が少ない状況がうかがえる結果となった。
全国的にも市町村長申立ての件数は少なく、最高裁のまとめによると平成17年度で全体の3%弱にとどまる。その背景としては、「制度がそれほど知られていない」、「家族がすべきという意識が強く、利用することの後ろめたさを感じている」、「相談場所が分からない」などの要因があると考えられている。


「申立て経費・後見人報酬助成などの予算あり」は、17ヶ所 45%
 成年後見制度の利用が有効と認められるにもかかわらず、本人に資産がない、または無償で後見事務を引き受けてくれる親族もいない場合などの支援として、成年後見制度利用支援事業(申立て経費や後見人報酬などの費用負担が困難なケースの補助事業)がある。県内での利用支援事業予算措置の状況は、「予算措置をしている」が17ヵ所(45%)、「予算措置をしていない」が、21ヵ所(55%)となっている。「予算措置をしていない」市町村のうち、「流用・補正で対応」が2ヵ所、「次年度以降措置予定」が3ヵ所となっている。


「申立て経費助成実績あり」7ヵ所「後見人報酬助成実績あり」3ヵ所
 平成15年~平成17年までの3年間で、申立て経費に対する助成の実績があるのは、恩納村、金武町、沖縄市、中城村、宜野湾市、浦添市、南城市の7ヵ所となっており、そのうち後見人への報酬助成の実績があるのは、恩納村、金武町、沖縄市の3ヵ所のみになっている。
 最高裁の統計によると、後見人の担い手は、「親族」が約8割で残りは、弁護士、司法書士、社会福祉士等の専門家となっているが、専門家等に依頼する場合は、金銭的に大きな負担となる。特に市町村による申立ての場合、親族が後見人になることはほとんどなく、報酬助成等の問題が大きな課題となっている。

今後の課題
 市町村の取り組む成年後見制度利用支援の状況は、全国的にも地域格差があり、県内でも同様の結果となっているが、要綱の整備や予算措置の状況は進んできている。しかし、制度利用が必要なケースが潜在化し、相談まで至っていない状況があるため、社協の総合相談(心配ごと相談等)や日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)等を通して、ニーズを把握し、市町村、地域包括支援センターなど関係機関と連携強化を図ることや地域住民への成年後見制度の周知を図ることが課題である。



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福祉情報おきなわVol.113(2007.5.1)
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