共同募金運動60年記念
 第49回沖縄県社会福祉大会報告


写真_表彰状授与の様子
▲社会福祉の発展にご貢献された個人・団体に表彰状と記念品が授与された。
福祉関係者約1200人が参加
186人、4夫妻、28団体を表彰
福祉のさらなる発展を期す

  「地域の力で誰もが住みよいまちづくり」をスローガンに第49回沖縄県社会福祉大会(主催 県、県社協、県共募)が10月27日、沖縄コンベンションセンター(宜野湾市)で開催され、県内の社会福祉関係者ら約1200人が参加した。








写真_あいさつを述べる呉屋秀信大会長
▲あいさつを述べる呉屋秀信大会長
地域の福祉力向上を
 式典冒頭であいさつに立った、呉屋秀信大会長は、「住民相互の支え合いによる『地域の福祉力』の向上が求められている。誰もが住みよい沖縄の実現を目指しましょう」と力強く述べた。
 続いて、社会福祉へ長年尽力され、功労・功績のあった186人、4夫妻、28団体に対して表彰状と記念品が授与された。
 受賞者を代表して富村操氏は、「身の丈を超える賞をいただき光栄に思います。これからも福祉活動を続けていきたい。」とあいさつを述べた。





大会宣言
共生型福祉社会の実現を目指す

 共同募金運動60年を記念して開催された今年の大会では、共同募金における新しい「寄付の文化」への発展と共生型福祉社会の実現を目指す大会宣言をアピールし、満場一致で採択された。



大会宣言
 近年、我が国の社会福祉を取りまく情勢は、少子・高齢化や核家族化の進行、厳しい経済情勢などを背景に、公的年金や介護保険、障害者の自立支援など持続可能で安定した制度の確立に向けた改革が進められている。
 また、三位一体改革や地方分権化によって、多くの自治体で市町村合併や財政の見直しが迫られており、社会福祉の分野においても市町村を中心とした制度設計が進められ、地域における福祉基盤整備が、これまで以上に強く求められている。
 こうした時代の変化と多様化する福祉ニーズに的確に対応するためには、住民の参画による公私協働を基調としながら、地域の福祉・保健・医療・教育・雇用関係機関、ボランティア団体などの連携・協力を積極的に図っていくことが重要である。
 一方で、今年は共同募金運動がスタートして60年になる。今後とも地域福祉を支える貴重な財源として有効に活用できるよう、県民がいつでも、どこでも、自発的に寄付ができる文化的な風土の醸成を目指す、新しい「寄付の文化」として募金運動を発展させていく必要がある。
 このときにあたり、「地域の力で誰もが住み良いまちづくり」のスローガンのもと、県内の社会福祉関係者が一堂に会し、地域の福祉力を基盤とした包括的な支援体制の構築に向け、一層努力する決意を新たにした。
 私達は、ここに総力を結集して、地域における福祉文化の創造を積極的に推進し、一人ひとりが尊厳を持って生活を送ることができる共生型福祉社会の実現を目指して、全力を傾けることを誓うものである。
 以上、宣言する。
写真_宣言案を朗読する呉屋清徳大会副会長
▲宣言案を朗読する呉屋清徳大会副会長

 
記念講演
 「生涯現役を目指して~共に支えあう福祉社会」 講師 琉球大学名誉教授 尚弘子
写真_講師の尚弘子氏
▲講師の尚弘子氏

 式典に引き続き、琉球大学名誉教授の尚弘子氏による記念講演が行われた。
 参加者からも大きな反響をいただいた講演内容の一部を本紙で紹介する。


米国留学を経験して
 私は昭和27年、19歳のときに米国へ留学しました。そこには当時の沖縄とは全く違う世界がありました。食べ物や文化、言語の違う米国での生活はとても大変で苦労に苦労を重ねて勉強しました。ホームステイ先のスミス夫人が57歳にもかかわらず大学に通う姿を見て、「これは頑張らないといけないな」と感じました。
 言葉の通じないアメリカでの留学生活は大変なものでした。極度の緊張から視力が落ち、あの年で老眼鏡をかけて勉強していました。ストレス太りも経験し、苦労をしましたが、一年ほどたつと、英語にも慣れ、楽しいキャンパス生活を送ることができました。
 留学で多くの困難を乗り越える中で、「自分は生かされているんだ。何事も一つのことでくじけてはいけない。生涯学ぶものなんだ」ということを教わりました。

教育から行政の世界へ
 定年後はボランティアをしようと考えていた矢先に、行政から声がかかり、二年半、副知事を経験させていただきました。幅広い行政の仕事は、研究しか知らない私にとって人生第2の苦しみでしたが、やりがいがあり、「一生懸命、誠心誠意頑張れば、社会のために貢献できる」と実感することができました。

岐路に立つ長寿県沖縄
 最新の国勢調査の結果が来年発表になりますが、沖縄県の平均寿命が全国何位になっているか、関係者は、今から戦々恐々としています。沖縄県は男女とも肥満度全国一になっています。食生活を見直し、運動をすることが大切となってきます。
 沖縄の長寿の方たちは、自分たちの食べるものにとても気を使っています。「医食同源」、「以類補類」に基づく食文化は、科学的に見ても理にかなっています。野草や薬草、海草など多く摂取する昔ながらの食生活を若い方にも見習ってもらいたいものです。

国際的に発展する沖縄
写真_大学院大学構想について説明する尚弘子氏
▲大学院大学構想については映像を交えて夢のあるお話をいただきました。

 「沖縄科学技術大学院大学」という世界最高水準の研究と教育、国際的で柔軟性をもった研究機関を設置する構想があります。現在、世界中の学者たちと電話会議を行い、計画を進めているところです。
 恩納村には研究宿舎が建設され、大学の門前町として周辺整備も計画されており、「国際色豊かな、教育研究のメッカ」として発展していくことでしょう。

生涯現役を目指して
 沖縄の先人たちは世界中へ雄飛し、今も沖縄には世界中から伝わったいろんな文化が残っています。また、こうしてできた沖縄独自の文化は科学的に見ても理にかなっている部分も多い。そんな世界に誇れる沖縄に生まれたことを大事に思って下さい。
 私は今、70代ですが、「100歳の方が頑張っているんだから」と自分に鞭打っています。そして、「社会のお役に立ちたい」という思いが今の私を支えています。
 「私に頼んでくれてありがとう。まだ私も社会のお役に立てるんだ」と感謝する気持ちこそが生涯現役で、健康に過ごしていくことだと信じています。
 皆様も「心の年齢はいつでも現役だよ」という気持ちで私と共に頑張っていきましょう。

      
       「社会に感謝すること、貢献していくことが生涯現役につながると信じています。」


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福祉情報おきなわVol.111(2007.1.4)
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