共生型福祉社会を目指して /県社会福祉大会を開催


 「ひとりの尊厳 みんなの福祉 ともに築く共生のまち」をスローガンに第48回沖縄県社会福祉大会(主催 沖縄県、沖縄県社協、沖縄県共募)が10月19日、宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで開催され、県・市町村社会福祉関係者やボランティアなど約1千500人が参加した。

 大会でははじめに、呉屋秀信大会長が「地域福祉への大きな期待が寄せられている。地域住民の人格と個性を尊重し、共に生きる福祉社会の実現を目指しましょう」と力強くあいさつ。

 続いて、地域福祉の増進に貢献した民生委員・児童委員や多年にわたりボランティアに尽力するなどの功績があった265人、2夫妻、27団体が表彰された。

 この大会で民生委員児童委員永年勤続功労者を受賞した宮古島市の川満美代子さんは「栄誉に応えるため、なお一層努力していきたい」と決意を新たに話した。



記念講演  川村敏明氏  「弱さを絆に」
 記念講演では、北海道総合病院浦河赤十字病院精神・神経科部長の川村敏明氏と浦河べてるの家のメンバーが、「弱さを絆に~地域と共生するべてるの家の試み~」と題して、精神障害者の地域生活における自立支援の実践について聴衆に訴えた。

 川村氏は、べてるの家の理念を、「①三度の飯よりミーティング、②苦しみや悩みはオープンに、③基本は自分」と紹介、自分の病気や症状と向き合い、入退院を繰り返しながらも自立した生活を目指し、仲間たちと励まし合いながら、生活するメンバーの様子を伝えた。



大会宣言
 近年、我が国の社会保障、社会福祉をめぐる情勢は、少子・高齢化の急速な進展や社会福祉に対する国民の意識の変化を背景に、公的年金や介護保険、障害者福祉制度の見直しなど、持続可能で安定した制度の確立に向けた改革が進められている。

 また、地方においては市町村合併などの地方自治の再編が進むなか、地方分権の理念をふまえ、地域の特性を活かした福祉施策の拡充や福祉活動の創造が求められている。

 こうした時代の変化と多様化する福祉ニーズのもとで、住み慣れた地域でだれもが、年齢や障害の有無にかかわらず、尊厳をもって安心した生活を送れるよう、きめ細かな支援体制を地域で構築していくことが必要である。
 このような中、「ひとりの尊厳 みんなの福祉 ともに築く共生のまち」のスローガンのもと、県内の社会福祉関係者が一堂に会し、一人ひとりの人権を尊重し、地域の福祉力を基盤とする自立生活支援体制の構築に向け、一層努力する決意を新たにした。

 私達は、ここに総力を結集して、地域における福祉文化の創造を積極的に推進し、一人ひとりが分け隔てなく支え合える共生型福祉社会の実現を目指して、全力を傾けることを誓うものである。

 以上、宣言する。
                      平成17年10月19日
                        第48回沖縄県社会福祉大会



福祉の基本は助け合い
県民福祉講演会 木原氏が講演


 第3回県民福祉講演会が11月17日、県総合福祉センターで開催された。わかるふくしネットワーク主宰の木原孝久氏が講師を務めた本講演会では、住民流の福祉について事例や図・写真を用いて分かりやすく説明があった。

 木原氏は「福祉の基本は助け合い」と指摘した上で、「介護や助けを必要とする人も、何か人の役に立つ助け行為ができる。福祉の専門家が提供する一方通行の助け行為ではなく、お互い様の双方向の助け合い行為こそが住民流の福祉です。」と訴えた。 

 会場には福祉関係者や一般県民約100名が詰め掛け、講師の言葉に熱心に耳を傾けていた。




山口くん、森山さんが大賞を受賞
ふくしアイデアコンテスト

 7月から9月にかけて行われた「ふくしアイデアコンテスト」の授賞式が11月17日の県民福祉講演会に合わせて開催され、各受賞者に賞状および記念品が授与された。

 同コンテストは「あなたが考える福祉の島 沖縄」をテーマに、そのアイデアを県民から募集したもの。作文の部では嘉数中学校一年の山口多聞くんが、絵画の部では中部農林高校一年の森山愛里さんがそれぞれ大賞に輝いた。

 山口くんの作品は地域に世代交流が楽しめる福祉空間の整備を訴えた点が評価された。また、森山さんの作品は、明るい未来と支え合いの心がうまく表現できている点が評価された。他の各賞受賞者は以下のとおり。

【作文の部 選考委員特別賞】 迎里清雅さん(那覇市)、喜屋武和馬くん(屋良小4年)、田本彩香さん(南星中1年)
【絵画の部 選考委員特別賞】饒辺夕梨亜さん(中部農林高3年)上門久美子さん(同高2年)、山城海里さん、新城祐子さん、喜納安海さん(大原中3年)



新年のごあいさつ





 沖縄県社会福祉協議会
 沖縄県共同募金会
 会長 呉 屋 秀 信

 あけましておめでとうございます。

 県民の皆様には、希望に満ちた輝かしい新春を、ご健勝でお迎えのことと心からお喜び申し上げます。

 さて、社会福祉、社会保障をめぐる情勢は、少子高齢化の加速や社会福祉に対する国民の意識の変化を背景に、公的年金や介護保険制度、障害者自立支援法の成立等にみられる障害者福祉制度の見直しなど、持続可能で安定した社会保障制度の改革が進められております。

 このような中で、本会は地域福祉の推進を使命とし、地域における潜在化している福祉課題を明確にし、きめ細かな地域福祉の展開と課題解決に向けて取り組むとともに、現在策定を進めている本会のこれからの活動の指針となる「新沖縄県社協21プラン(仮称)」がスタートする重要な年であり、新たな時代の要請にこたえるべくプランに沿った活動目標を着実に遂行してまいります。

 本年は、県民の皆様をはじめ、市町村社協、福祉施設・団体等の社会福祉関係者、保健、医療、行政機関等との連携強化を図りながら、県民主体の地域福祉活動を展開し、誰もが安心して暮らすことができる沖縄県の福祉社会づくりに努めていきたいと存じます。

 年頭にあたり、県民皆様方のますますのご健勝とご活躍、ご多幸をお祈り申し上げますとともに、社会福祉に対するなお一層のご理解とご協力をお願い申し上げ、新年のあいさつといたします。



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福祉情報おきなわVol.105(2006.1.5)
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