県内の取組み事例7 NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい

ちゅらゆいkukulu~ちゅらゆいで関わる子どもたちの実態~

沖縄では、いじめや貧困が原因で学校にいけない子どもがクラスに1人の割合でいるといわれている。NPO法人沖縄青少年自立援助センターちゅらゆい(代表理事:金城隆一氏)が運営する「kukulu」(くくる)では、様々な原因で不登校となっている生徒38人が居場所として利用している。(平成28年3月現在)

ちゅらゆいでは、子どもの居場所づくり「kukulu」以外にも、うるま市に就労支援B型事業所「コミュッと」を運営しているほか、ひきこもりの親の会を中南部(月/1回)また不登校の親の会を南部で(月/1回)開催。その他、セミナーや勉強会等、相談窓口の開設などを行なっている。

金城氏よると、「kukulu」(くくる)ではこれまで子ども達の支援活動(対人関係を軸に、生活支援、学習支援、就労支援の3本柱)を通じて、学校への登校状況が改善した生徒が27人おり、このうち高校への進学者は16名となっている。しかし、現在も高校へ登校できている子どもは3名しかいない。子どもの抱える背景は厳しいが、高校退学者は1人もおらず、学校とも連携しながら活動している。子ども達の自立に向けた援助は簡単にはいかないが、「kukulu」では子ども1人1人の実態に寄り添いながら活動している。

~まずは、ごはんを食べにおいで~

毎日の暮らしの中で温かな食卓を囲めずに、孤立している子に「一人ではないよ」とスタッフや同じ悩みを持つ子どもたちが一緒にご飯を食べ、料理や学習、スポーツ、パソコン講習等を通して接することで、人との関わりを築いている。

「kukulu」の主な運営資金は、寄付金によってまかなわれており、子どもたちの食費や活動費に充てている。また、ホームページなどを通じて寄附も呼びかけている。

現在、うるま市やうるま市社協、うるまパーソナルサポートセンター(生活困窮者自立支援事業)と連携し、ひきこもりの若者への支援を協働で行える取り組みを検討している。このほか、県内外でのシンポジウム等を通した啓発活動も精力的にこなしており、事業の幅が広がってきている。

ある学生は、「船長(金城氏)に会えてよかった」と話す。船長さんという名で慕われている金城氏は「その言葉をもらえるだけでありがたい」と嬉しそうに話していたのが印象的だった。

(取材 県社協地域福祉部)

住所 那覇市牧志3-6-41島商会ビル2F

電話 080-7036-7277

URL    www.churayui.org/ kukulu

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