「苦情」とは、形を変えた「ニーズ」の表現
~福祉サービスに関する苦情解決責任者および第三者委員研修会報告~
                     沖縄県福祉サービス運営適正化委員会

 去る9月26日(金)に沖縄都ホテルにて、福祉サービスに関する苦情解決責任者および第三者委員研修会が開催されました。県内各地の福祉サービス事業所の苦情解決責任者と第三者委員の約320名余りの参加者がありました。
 研修会では、沖縄大学福祉文化学科の加藤彰彦教授による「福祉サービス事業者に求められる苦情解決の仕組み」と、S.A.Tの新崎盛隆氏による「民間企業における顧客サービス」の2つの講義が行われました。
 加藤教授は、まず、福祉サービスの「苦情」とは、形を変えた「ニーズ」(意見・要望)の表現であるという認識をもつことが重要であることを説明し、また、苦情解決の仕組みの目的は、国の指針により、福祉サービスに対する利用者の満足度を高め、苦情を密室化せず、社会性や客観性を確保し、一定のルールで解決すること等を再確認しました。さらに、うもれがちである利用者の苦情をいかに引き出し、適切な支援につなげ、受け付けた苦情に事業者としてどれだけ迅速な対応ができるかが課題となっており、第三者委員の活用等の必要性が説明されました。第三者委員の選考にあたっては、利用者の意見も聞く必要性も提起され、福祉サービス利用者自身の権利意識の向上も今後の課題となることが示唆されました。
 新崎氏からは、社会福祉制度が、措置から契約制度にかわり、福祉サービス利用者自身が施設を選べることができることにより、社会福祉法人も利用者を顧客と捉え、顧客満足を追及する民間企業としての活動が求められていることが説明されました。さらに品質管理の国際規格であるISO9001については、顧客のニーズを明確化し、組織的・継続的に改善していくことにより、顧客満足を作りこむ仕組みであることが説明され、少子高齢化社会が進むなか、社会福祉法人も関心をもって、一企業として、顧客重視の考え方を持って利用者と接していくことが今後求められていることが強調されました。
 今回の研修会は、参加申込者が定員の倍以上となり、参加できない福祉サービス事業者が多数あったため、再度、同じ内容の研修会が12月18日に予定されています。


一口メモ
苦情解決責任者とは・・・
 福祉サービス事業者において、苦情解決の責任者を明確にするため、各事業所に苦情解決責任者が設置されています。福祉サービス事業所の苦情受付担当者等が受付けた苦情は、すべて苦情解決責任者に報告され、苦情解決責任者は、福祉サービスの利用者と話し合いによる解決に努めることになっています。

第三者委員とは・・・
 苦情解決に社会性や客観性を確保し、利用者の立場や特性に配慮した適切な対応を推進するため、福祉サービス事業者毎に第三者委員が設置されている。第三者委員は、福祉サービス利用者から直接苦情を受け付けたり、利用者と苦情解決責任者との話し合いへの立会いや助言などを行う。




第46回沖縄県社会福祉大会

 「いきがい ふれあい 地域福祉でまちづくり」をスローガンに、第四十六回沖縄県社会福祉大会が福祉事業従事者や民生委員児童委員など千五百名余りを集めて、十月二十三日に沖縄コンベンションセンターで開かれた。今年の大会では「社会福祉従事者は、新たな社会福祉のシステムが真に利用者の尊厳と自立を支えるものとなるよう、その使命を果たさなければならない。」との大会宣言をはじめ、県民の生活と福祉を守る立場から「日米地位協定の見直しに関する決議」が採択された。
 また、記念講演では、茨城県大洋村石津政雄村長を招き「健康文化による村づくり~超高齢社会をにらんで」と題し健康を文化として捉え、地域づくりに活かす新たな取り組みについて講演いただいた。
今大会では、長年にわたる社会福祉の功績によって百七十八人、三夫妻、三十四団体が県知事、大会長表彰を受けた。

【県知事表彰】〈民生委員・児童委員功労〉呉屋定子、翁長キク、平川信子、崎濱吉子、平田稜子、大城和子、永田靜子、南純子、金城勝代、知花初〈社会福祉事業団体関係者功労〉岸本正春、山田親夫、古波蔵延江〈社会福祉事業施設従事者功労〉中石俊江、福原栄子、玉城明子、比嘉文子、上原勝伸、大城初美〈ボランティア功労〉手話サークルふくぎの会、音訳ボランティアサークルつわぶき、城前小学校、宮森小学校、伊波小学校

【県知事感謝】なつめろ同好会、合資会社沖縄実業

【大会長表彰】〈特別功労表彰〉安里二郎、新城紀秀、富村操、宮城仁正・ミツ子夫妻、金城信一郎・暁子夫妻、新垣幹男・真由美夫妻、粟国安喜、石川ヨシ子、宮良紀美子、知念和男、田場由勝、田代加代子、赤嶺達生、与那城町宮城スンチナーグループ、与那城桃原しあわせ友愛訪問グループ、宜野湾市赤十字奉仕団、ODSバンド倶楽部、伊波中学校、石川中学校、大里北小学校、宇座銀の会、楚辺クラガー会、大育保育園、ラスカル保育園、美原保育園、石川保育所〈特別永年勤続功労者表彰〉六七人(氏名略)〈永年勤続功労者表彰〉八十人(氏名略)

【大会長感謝】冨士ともえ、金武町チャリティーダンスパーティー実行委員会、仲よし歌の会、読谷共同産業株式会社、糸満ライオンズクラブ、有限会社中央環境サービス公社、大正土木株式会社、宗教法人真如苑沖縄支部、有限会社那覇相互清掃、株式会社広宣、社団法人沖縄軍用地等地主会連合会、有限会社福地組、なつメロサークル小鳩、株式会社徳里産業、株式会社ヤマサン沖縄営業所




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福祉情報おきなわVol.92(2003.11.1)
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