社会福祉法人のチャレンジ~新たな社会福祉法人像の構築~
シリーズ(1)「今、社会福祉法人のおかれている状況」
今、社会福祉法人は大きな転換期を迎えています。「構造改革なくして景気回復なし」とする小泉内閣において「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003」が示され、7つの分野において構造改革が進められています。国の制度改革の動向は本当に目まぐるしく、社会福祉制度の根幹に関わるものであります。一つには介護保険制度を契機に、課税や退職金等の優遇・恩典制度を医療法人や民間企業などと同様にすべきだというイコールフッティング論が叫ばれています。
今の社会福祉制度は、支援費制度や措置費、退職金制度など補助金で制度運営が維持されています。しかし、地方分権の流れの中で三位一体の改革が進められ、国からの補助金がカットされ、いずれは地方交付税交付金として各自治体の裁量で用途を決められるお金の性格、使い方の仕組みに変わっていけば、日本の社会福祉制度は再構築を余儀なくされるに違いありません。
このような状況のもと、全国社会福祉施設経営者協議会(以下「全国経営協」)では、法人制度対策委員会を立ち上げ、社会福祉法人が引き続き民間社会福祉事業の主たる担い手としての役割を果たしていくことはもとより、社会福祉法人の有する高い公益性・福祉性に基づいた事業を積極的に展開することにより、社会福祉法人の存在意義に対する広い理解を得ていくことを目的として、社会福祉法人の地域貢献の「1法人(施設)1実践事業」の普及・啓発を掲げました。
この「1法人(施設)1実践事業」は、大分県の「1村1品運動」に倣い、地域の特性や素材(潜在する福祉ニーズ・制度化されたサービスでは対応できないニーズへの対応等)を社会福祉法人がこれまで培ってきた福祉の専門性やノウハウを最大限活用し、地域の福祉推進に役立てることをねらいとしています。このような地域貢献事業は、これまでにも全国各地で行われてきましたが、より広い意味で地域社会に目に見える形でアピールし、社会福祉法人の役割を国民に理解してもらうために、あえて全国展開を図ろうと提唱したわけです。また、地域貢献事業は、地域住民との信頼関係を醸成させるだけでなく、社会福祉法人・施設が地域との共生づくりを目指すという地域社会に対する極めてメッセージ性の高い実践でもあるのです。
これを受け本県でも、県内に点在する地域貢献事業を県内すべての社会福祉法人が実践する面の広がりとするために、去った8月に社会福祉法人経営者を対象とした「社会福祉法人地域貢献実践セミナー」(主催:沖縄県社協・県社会福祉施設経営者協議会)を開催しました。
本誌においては、県民の皆様の社会福祉法人への更なるご理解とご支援を得るために、次号より県内の社会福祉法人(施設)の地域貢献事業の実践をシリーズで紹介していきたいと思います。

次号紹介予定(福)与勝福祉会の行う津堅島でのサテライト型デイサービス事業「津堅いこいの家」に通う利用者とスタッフ

津堅島の高齢者の暮らしを支えるサテライト型デイサービス
(トップページ)
(次のページ)
福祉情報おきなわVol.92(2003.11.1) |
編集発行 沖縄県社会福祉協議会 沖縄県福祉人材センター
〒903-8603 那覇市首里石嶺町4-373-1 TEL098(887)2000 FAX098(887)2024 |
-ふれあいネットワーク-
〒903-8603 那覇市首里石嶺町4-373-1
社会福祉法人 沖縄県社会福祉協議会
Tel 098(887)2000 Fax 098(887)2024
Copyright(C)沖縄県社会福祉協議会
CLOSE