シリーズ活動最前線

難病患者に雇用の場を

   沖縄県難病支援センターNPO法人アンビシャス

沖縄県難病支援センター・アンビシャス(理事長:迫 幸治)は平成14年2月にNPO法人として誕生した。
その名には難病を抱えながらも常に「大志」を抱いて生きていこうという想いが込められている。

沖縄県の難病患者
難病とは、一般的に厚生労働省が定める118種類の疾患のことで、沖縄県内には約4200人存在する(平成13年3月)。その内、障害認定を受けることができるのは、わずか1割程度、大半の人たちは行政の支援を受けられず、自分で自分を支えていかなくてはならない。しかし、仕事をしたいと希望する難病患者の多くは、健康面の不安や精神的不安から、満足に仕事が得られていない状況である。難病は「障害」ではないため、行政からの支援も非常に少ない。また。支援する患者会も、県内では、「沖縄クローン友の会」「膠原病友の会沖縄支部」の2団体のみで、他都道府県に比べ非常に少ないのが実状である。

自立支援を目指して
 こうした県内の不利な環境を改善していこうと、沖縄県難病支援センターNPO法人アンビシャスは立ち上げられた。中心的な人物は事務局長の照喜名通さん(写真)。「失業率が非常に高い難病患者たちのために、少しでも力になれたら」と力強く語る。「行政の支援ばかりを期待してはいけない。自分たちで雇用を生み出していこう」と意気込む。そして、自らも厳しい食事制限を強いられるクローン病という難病と戦いながら難病患者の自立支援を目指している。
 法人設立までの道のりは厳しかった。事務所を借りようと訪ねた先で門前払いされたこともあった。それでも、常に挑戦することを続けた結果、現在の理事長である迫氏と出会い、資金協力を得ながら法人運営を続け、また、支持者の方々も増えつつある。

あまり深く考えずに・・・
 現在は、首里城公園内に開いたお土産品店で同じ難病患者の会員と共に販売活動を行っている。店の名前は“笑店”。常に笑いを絶やさず仕事をしようという思いから名付けられた。アンビシャス会員が経済的自立をしていくための重要な雇用の場となっている。経理を担当している新垣睦子さんは、「難病であるがゆえに仕事に無理がきかず、ストレスをため込んでしまう人が多い。あまり深く考えずにまずはのんびりとすることも大切」と話す。

「アンビシャス」からのメッセージ
 難病患者の多くは、世間の偏見や差別の目から逃れるため、自ら難病であることを隠していることが多い。照喜名氏は「難病患者について差別・偏見をもたないでほしい」と強く訴えた。
 アンビシャスは、その名のごとく常に開拓者精神でさまざまな活動に挑戦し続けている。

沖縄県難病支援センター・アンビシャス 連絡先
 那覇市牧志3-24-29 グレイスハイム喜納Ⅱ 1階
 TEL:951-0567 FAX:951-0565
 URL:http://www.ambitious-npo.com


~ユニットケアの実践に向けて~
 県老人福祉サービス協議会のケアワーカー会・生活相談員部会では、ユニットケアを提唱し全国各地で普及活動を展開している武田和典氏を迎え、去った5月22日(木)に「ユニットケア勉強会」を開催しました。
 ユニットケアとは、施設の居室をいくつかのグループに分けて1つの生活単位とし、少人数(およそ10人程度)の家庭的な雰囲気の中でケアを行うものです。グループ毎に食堂や談話スペース等の共用部分を設け、職員の勤務形態もユニット毎に組むなど、施設内に独立した小さな家庭環境を作り出すものです。しかし、単に施設を小分けするということが目的ではなく、職員と利用者が「生活を一緒にしていく」というケアを目指し、利用者に寄り添い一人ひとりの生活を支える、まさに利用者全体のサービスを施設でも可能にしていく手法です。
 今、特別養護老人ホームや老人保護施設など高齢者福祉・医療の分野でユニットケアに取り組む施設が増えてきました。県内でもいくつかの特別養護老人ホームで試行錯誤を重ねながら実践され、さらに広がりを見せています。
 来年1月17日、18日には第3回ユニットケア全国実践者セミナーが本県で開催されます。これにより、高齢者施設におけるユニットケアへ取り組む機運はさらに高まり、また、高齢者施設にとどまらず障害者施設においても関心が高まっていくことが期待されます。


支援費制度豆知識①
 支援費制度の目的、対象となるサービス
平成15年4月より支援費制度がスタートしました。今までは、措置制度として行政がサービスを受ける人を特定し、サービスの内容や回数を全部決めていました。しかし、これからは利用者である障害のある人とサービスを提供する施設や事業者との対等な関係にもとづき、自らサービス提供者を選び、契約を結んでサービスを利用します。これが支援費制度です。
 支援費制度を利用できる人は、身体障害者、知的障害者、障害児(障害のある18歳までの児童)です。
 対象となるサービスは、在宅で受けられるサービスと施設を利用するサービスに分けられます。(※障害児は在宅サービスが支援費制度になります。障害児関係施設は支援費制度にはなりませんので、利用方法は今までどおりです。)サービスの内容についてもっと詳しく知りたいという方は、お住まいの市町村又は施設・事業者に直接お問合せください。

在宅サービス
○ホームヘルプサービス
 (ガイドヘルプを含む)
○デイサービス
○ショートステイ
○グループホーム(知的障害のみ)

施設サービス
○更生施設
○療護施設(身体障害者のみ)
○授産施設(小規模通所授産を除く)
○通勤寮(知的障害者のみ)・・県内にはありません
○国立コロニー      ・・県内にはありません


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福祉情報おきなわVol.90(2003.7.1)
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