シリーズ活動最前線
支え合って、明るく、楽しく、真剣に

「のびる福祉作業所
」(名護市)

  

 秋風がそよぐ10月であるにもかかわらず、セミの声が鳴り響き、近くに自然を感じる名護市大中、北部病院裏の旧名護農協の建物に「のびる福祉作業所(代表者:宮城康志さん、写真)」がある。

 のびる福祉作業所は平成5年4月に設立され、今年7月に現在の場所に移転した。環境に優しい廃油を利用した石けんや共同募金配分金で購入したオーブンで製造したお菓子などを製造・販売している(写真)。愛情を込めて作られた環境にも身体にも優しい商品が魅力だ。毎週月曜から金曜、9時から4時までの間、働いている。

 作業所で働くメンバーは<sp13名。年齢層は幅広いもののチームワークは抜群で、互いに役割を分担しあいながら、黙々とそして時たま笑顔をのぞかせながら作業に勤しんでいた。「明るく、楽しく、真剣に!」そんな言葉がぴったりの彼らは、撮影や取材に対しても快く応じてくれた。

 同作業所のような小規模作業所は県内に数多く点在し、定員が限られる授産施設に入所できない者たちの受け皿として期待されているが、法外施設のため授産施設と比べると補助金がどうしても少ない。さらに、長引く不況は県内の小規模作業所の売上にも暗い影を落としている。「不況の今、環境によい作業所の商品より、安い工業製品に消費者は目を向ける。かといって、大量発注を請負っても生産体制が追いつかない。原価割れするような価格設定はできない。所員に無理をさせるわけにはいかないんです。」と代表者の宮城さん。切実な中にも前向きにそして真剣に作業所や所員のことを考えている宮城さんの言葉がとても印象的だった。

 同作業所では少しでも地域に貢献できればと施設周辺の道路清掃を毎朝行っている。「最近では、道行く人から「ありがとう」と声をかけられることもあり、励みとなっている。これからも積極的に地域と関わっていきたい」と宮城さん。最後は「養護学校を卒業した障害者が自分のやりたい仕事を選択できるように、色々なスタイルの作業所が生まれてきたら…」と語ってくれた。
 
 優しい施設長と明るいメンバーに囲まれ「のびる福祉作業所」は今日も明るく働く彼らの声で活気づいている。
「のびる福祉作業所」名護市大中2-2-4 TEL0980-54-1493

     



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福祉情報おきなわVol.86(2002.10.21)
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