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〜11月11日「介護の日」認知症特別講演を通して〜 |
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平成22年11月11日(木)、浦添市てだこホールにおいて、認知症に対する誤解や 偏見を解消し、住み慣れた地域で安心して暮らしていける地域づくりを目的に、「介護の日」記念 認知症特別講演会を開催しました。 当日は、福祉・医療関係者をはじめ福祉や介護を学ぶ学生など千百名余の方が参加し、認知症介護研究・研修東京センター研究部副部長の永田久美子氏による特別講演を通して、若年性認知症について理解を深めました。 |
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特別講演
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認知症は、高齢の人だけがなるわけではない 認知症は高齢の人だけがなるものではなく、働き盛りの若い人にも発症し、調査では全国で約4万人、18歳から64歳の10万人に約50人の割合で若年性認知症の人がいると推測されています。本県における若年性認知症の人の実態把握はまだなされていませんが、私たちの暮らす地域の中にも、かなりの若年性認知症の人がいるものと思われます。 若年性認知症とは 認知症とは、いろいろな原因で脳の病気が進行し、脳の働き(記憶や理解・判断など)が低下することで、自分らしい生活を送ることが次第に困難になってくる状態をいいます。
認知症は高齢者に多い病気ではありますが、働き盛り、子育て世代の人にも発症することがあり、65歳未満で発症した場合に、若年性認知症と言います。<BR> 若年性認知症の場合、病気で仕事に支障が出て辞めざるをえず、経済的に困難になったり、子育てが出来なくなるなど、現役世代ならではの多くの不安や問題を抱えることになります。そのため地元の地域包括支援センターと相談し、暮らし全体についての話し合いが欠かせません。 周囲の理解と支援が本人と家族には必要 若年性認知症の特徴として、本人は、些細な刺激によるストレスで混乱しやすくなります。例えば、周囲の音に敏感になったり、人数の多い場所、広い所では混乱しやすく、会話や人の動きについていけなくなったりします。 「どこかおかしい」、「仕事や家事、用事がスムーズに出来ない、ミスが重なる」などの初期症状が見受けられた場合、本人とその家族を取り巻く周囲の人びとの理解(気づき)とさりげない支援が重要です。理解と支援が不足すると、本人や家族が二重・三重のダメージを受け、症状が多発したり、増悪したりして、本人の自立度の低下が早まります。 また、症状が現れていても、本人や家族が認知症とは思わず我慢したり、うつ病や更年期障害などとして、心療内科や婦人科などを受診し続けていることもありますが、症状に改善がみられない場合は、早急に専門医を受診することが大切です。 本人は、自分の変化に戸惑い、もがいています。周囲も戸惑い、困りますが、一番困って苦しんでいるのは、本人です。周囲からみて変だな、おかしいな、と思った時は、暖かいまなざしで、本人の気持や理由を聴いてみることが重要です。 理解するにあたって、大切にしたいこと 認知症の人の見方を変えていくことが重要です。認知症は、一度に全ての力を失うわけではありません。本人の出来るところ、いい点に光をあて、本人の持っている力を活かし、出来ない部分のみをカバーすることで、本人が安心と自信を保てるように支えていきます。認知症があっても、本人なりの思いや理由があります。 「何か支援をしてあげなければ…」と焦らずに、本人の声を聴いてみて下さい。これが、本人の大きな支えになります。 そして友人や知人、町の人々など地域の人々とつながり続けることが本人・家族の安心・安定、重度化防止の最大の鍵となります。若い力を押さえ込むのではなく、戸外に出て、伸び伸びとできる時間、本人が自分らしく活躍し、楽しめるチャンスがあると安定して暮らせる方がたくさんいます。そのために「ちょっとした支え」をケア職員と地域の人が一緒に増やしていきましょう。
若年性認知症は、すべての人にとっての課題 若年性認知症の人の理解と支え合いは、認知症の高齢者の理解と支援を広げることにもなります。理解と支え合いが少しずつでも広がると、子どもからお年寄りまで誰にとっても暮らしやすい町になっていきます。 「今、若年性認知症の医療・福祉、そして地域での支え合いが少しずつ進み始めています。若くして認知症になっても、本人と家族が、そして私たち自身が安心して暮らし続けられるように一人ひとりが理解と支え合いの輪を広げていきましょう」と、全国の先駆的な支援事例を通して、その人らしさを大切にした支援のあり方を永田氏よりご紹介いただきました。 |
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本県の若年性認知症介護の課題を探る 〜「認知症介護を支えるかけはしの会」の現状より〜 |
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平成2年、県中央保健所事業の「痴呆性老人を抱える介護者の集い」として始まった「かけはしの会」は、平成15年から自主的な活動を続け、介護の悩みを抱えた介護者家族を支援することを目的に、毎月主に那覇市の中央保健所にて活動を行っている。 会のこれまでの活動の中には、若年性認知症だったのではと思われるケースも含めて5名の方の相談があったという。 介護者(家族)の負担
会員の中に、夫婦共働きしていた世帯の夫が50代で発症したAさんのケースがある。Aさんの夫は会社を退職することとなり、家計は厳しくなった。Aさんは、家計を支えるためこれまでの仕事を続けると同時に、昼夜、夫の介護に追われる毎日。会に参加するのもままならず、精神的にもゆとりが無い様子が伺えるという。 適切なサービスがない 若年性認知症の場合、介護保険制度の要介護認定を経て、介護保険サービスが受けられるが、若年性認知症を専門とするデイケア・デイサービスは県内にはまだなく、高齢者向けのサービスの中で受入れを行っている事業所があるのが現状だという。しかし、「まだまだ社会とつながりたい、仕事に就きたい、人の役に立ちたい」という現役世代としての本人の思いと合致せず、利用目的が大きく異なっているため、Aさんの夫は介護保険制度のサービスに馴染むことが出来ず、行き場がない状況だという。 また、若年性認知症の方が障害者手帳の取得によって、障害者サービスを利用することも可能だが、やはり同じサービスを利用するのは難しいのではと、会のメンバーは考えている。 情報と生活のサポートを 会員からの相談について、なかなか有益な情報提供が出来ない現状に対し、会としては今、とても苦慮しているところだという。ここ1~2年、県内の医療現場においても若年性認知症についての専門的なケアに対する関心が高まっているように感じるとのことであるが、しかしながら、本人の暮らしをサポートする支援はまだなく、生活の面からの支えが早急に必要だと訴える。 |
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