福祉情報おきなわVol.130(2010.3.1) |
編集発行 沖縄県社会福祉協議会 沖縄県共同募金会 沖縄県福祉人材センター 沖縄県民生委員児童委員協議会 〒903-8603 那覇市首里石嶺町4-373-1 TEL098(887)2000 FAX098(887)2024 |
今から28年前、千葉県の電話局に寄せられた当事者からの要望をもとに作られた「電話お願い手帳」。この手帳は、耳や言葉の不自由な方が、外出先で電話連絡等をする場合に、用件や連絡先等を書いて、近くにいる方にお願いするツールとして御活用いただくものです。
NTT西日本沖縄支店(古堅一成支店長)では、同社の社会貢献活動の一環として、県内に毎年約2,000部の「電話お願い手帳」と「ふれあい速達便」の無料配布を行っています。
本会に寄贈して頂いた手帳は、各市町村社協等を通じて県内の手帳を必要とする方々へ届けられます。
役所や病院、銀行などの窓口で、または事故や災害時の緊急な場面で、聴覚や言語に障害を抱える方が必要とする情報を得るためにも、多くの方にご活用いただきたいと思います。
▲現在、手引きを配布中
研修では、「高齢者虐待から権利擁護の視点を振り返り、対人援助技術を鍛える」をテーマに、午前の部は高齢者虐待の基本的理解について服部氏より、虐待者と被虐待者がともに被害者であるという視点や、家族ごとに介護力や経済力などの基盤は異なるため、高齢者虐待は多くの問題を内包していることや、虐待の解決は、最終的には法律ではなく対人援助としての専門家の力が重要になると助言があった。
▲事例検討の様子
大会2日目は、那覇市にある長田クリニックの長田清院長から、「被虐待児童への支援について」〜解決志向アプローチのやり方〜と題し、記念講演が行われた。被虐待児童や問題を多数抱えた児童への関わりに、「解決志向アプローチ」(手法)を使い、どのように相手の良いところ探しを行うのか、また、うまくいっているところをどのように引き出すのか等、ワークショップなどを通じ、その基本的な考え方や活用方法を学んだ。
第25回九州児童福祉施設運営研究協議会(主催・九社連児童養護施設協議会など)が、去る1月21日〜22日の2日間、沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザを会場に、九州各県の児童福祉施設の施設長、約100名余が参加し、開催された。
本研究協議会は、「子どもの権利擁護システムの構築に向けて」をテーマに、社会的養護を必要とする児童の養育やその支援体制のあり方等について研鑽を深め、今後の児童福祉の更なる向上・発展に資することを目的として開催されたもの。
大会1日目は、中央情勢講演として、全国児童養護施設協議会副会長の土田秀行氏から、「児童養護施設を取り巻く情勢について」と題し、講演が行われた。講演の中で、虐待を受けた子どもや発達に障害を抱える子どもの入所(割合)が増える中、職員負担も増加しており、十分な養育・支援が行えるよう、現行の職員配置基準の見直しの必要性を強調された。また、国への政策提言に向けての全養協の取り組み(小規模化プロジェクト等)状況などについての報告がなされた。
●那覇市と西原町の報告から「社協がどう地域の人達をつなげていけるのかが重要である」ことを痛感しました。まずは地域に出向いていこうと思いました。
●CSWを実践していくなかで、事例発表からも、みんな似たような課題を抱えているという事が分かりました。地域づくりや小地域ネットワークは社協が得意とするところで、社協の強みだと思います。
●これからの事業展開が参考になりました。2社協の事例を聞いて、今後の課題や実践するにあたり勉強になった。本社協でも取り組んでいきたい。
午後に行われたワークショップでは、午前中の2社協の報告についての検証と事例を基にしたエコマップづくりに取り組んだ。
最後に、講師の神里氏から、地域の基礎組織の組織化、地域住民の生活支援活動の蓄積、住民と社協職員のネットワーク、職員間のネットワーク、研修体制の確立等といった、沖縄でのコミュニティソーシャルワークの課題と整理についてまとめの講義を行った。
受講者のアンケートからは、参考になった、今後も研修を継続してほしい、という要望が多く寄せられた。
沖縄県社会福祉協議会では、市町村社協職員の専門性を高めることを目的として、去る1月20日〜21日にかけて「平成21年度市町村社会福祉協議会職員研修会(コミュニティソーシャルワーク研修)」を開催した。
今回の研修会は、かみざと社会福祉研究所代表の神里博武氏を講師として招き、2日間に亘り、コミュニティソーシャルワークの理論と実践についての研修内容となった。
研修会には、県内18ヵ所の市町村社協から、47名の職員が参加した。
平成22年1月29日(金)、宜野湾市にて、「高齢者虐待・権利擁護における関係機関研究協議会」を開催した。
高齢者虐待については、平成18年に「高齢者虐待防止法」が施行され、市町村単位での防止・介入の取り組みが求められている中、今回は地域包括支援センターや社会福祉協議会など、地域で高齢者虐待の発生時や防止に関わる関係機関が会し、研修会を実施した。
講師には、長年、障害児福祉や高齢者福祉に携わり、高齢者虐待への介入など経験豊富な服部安子氏を講師に招き、基本的知識から、事例を通じての介入等のポイントを学んだ。
参加者の声(受講者アンケートより)
▲グループに分かれてのエコマップづくりにも
積極的に取り組んだ
▲講師の神里博武氏
研修会冒頭で、去年11月に沖縄県社協で実施した「小地域福祉活動に関するアンケート」に関する中間報告があり、沖縄県内の小地域ネットワーク活動、ふれあい・いきいきサロン活動、地域福祉推進基礎組織・中間組織の状況について報告がなされた。
その後、「社協活動とコミュニティソーシャルワーク」と題し、コミュニティソーシャルワークの理論面を中心に講義が行われた。
午後の部では事例検討を通じた、高齢者虐待への介入とネットワークのポイントを学んだ。そこでは虐待事例を「困難な事例」として、関係機関が見守りだけになりがちな点を注意し、「キーコーディネーター」として家族と信頼関係を築いている機関や専門家が中心的に介入すること、また、介入のタイミングについては、服部氏より、家族全体の支援を視野にいれ検討すべき等のポイントを学んだ。参加者の多くが、知識と経験に基づいた服部氏の講義に「参加できて良かった。」「多くのことを学び充実した研修であった。」と語っていた。
▲児童の権利擁護について論ずる高橋教授
▲講師の服部安子氏(写真中央)
▲真剣なまなざしで講義を聞きながら
メモを取る受講生ら