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最西端の島の文庫

「おはなし館文庫」


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福祉情報おきなわVol.120(2008.7.1)
編集発行 沖縄県社会福祉協議会  沖縄県共同募金会
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 今回は与那国町にある、「おはなし館文庫」を訪ねた。今年で設立10年目になる文庫は当初、地域の子ども達が自由に出入りする事のできる場所、そして少ない学校図書蔵書数を補いたいと考えた12名の同士で設立された。当文庫の代表である、田頭さんの自宅の一部を文庫として地域に解放している。

 文庫開設と同時に、週1回町内の幼稚園、小学校、中学校の各学級で朝15分間の絵本の読み聞かせを行っている。絵本の読み聞かせと言うと子ども達の為と思われそうだが、田頭さんは「読み手を育てながらの活動、また地域住民と子ども達の交流の場でもある」と読み手である地域住民のメリットが大きいという。子育てを現在していない住民も学校に行く事で地域情報を得る事ができ、また子ども達との関係がより身近になり、見守りや声掛けが容易になる。

 そのため、絵本の読み手には自ら申し出る人だけでなく、田頭さんがもっと地域に出て来てもらいたいと思う方々にも声をかけ、現在は30人を超える住民が読み聞かせに参加している。参加者の年齢層も幅広く20代から60代の方まで、また男性の参加者もいる。 子ども達に取っても読み聞かせは、本にふれる機会が出来る上、家族以外の大人との交流も生まれる。

 また、6年ほど前からは、年に2回、5月の子ども週間と12月のクリスマスの時期に、当文庫において本の読み聞かせや紙芝居等の催し物も行われている。毎年100人ほどの参加があり、賑わいを見せている。

 現在、田頭さんは自らの仕事の合間を縫って文庫を提供しているため、本の整理が思うように出来ず、助成金の申請等に十分な時間が取れない状況だと言う。それでも今後、おはなし館文庫での定期的な読み聞かせや、新しい本の購入等にも力を入れて行きたいと話された。