沖縄県介護実習・普及センター

福祉用具を上手に使って「楽々介護」を

 高齢者の介護は精神的にも肉体的にも負担が大きいですが、福祉用具を上手に使うと「楽に、楽しく」介護ができます。

 今回は、福祉用具3種の神器といわれております①ベッド ②車いす ③ボータブルトイレのうち、③ポータブルトイレについて説明します。

 高齢者や障害のある人たちの日常において、ポータブルトイレは比較的利用度が高い福祉用具である。排泄の自立への関心の高さ、深刻さもあるが、それだけこの製品がグレーゾーン商品として定着してきたことも関係していると思われる。骨折などの一時的な障害や病気の人にも、足腰の弱った高齢者にも、利用されるようになり、妊婦等が一時的に利用することもある。
 ポータブルトイレは「携帯用トイレ」という意味を持つ。要するに、家の中でトイレまで歩かなくても、トイレが自分の近くに来てくれるわけで、トイレまで行くことのできない人が利用する。
 トイレまで行くことのできない人は、歩くことの不自由な人であったり、夜2階に寝ていて1階のトイレまで行くのが大変だったりする人である。また、トイレまで行くことはできるが、歩くのが遅く、尿を漏らしてしまったり、尿を我慢できない人にも利用されている。
 このようにポータブルトイレは移動動作が困難な人の排泄の自立のために利用される。部屋の中、ベッドの隣にポータブルトイレを置けば、つかまり立ちができる人であれば、自分で排泄ができる。排泄の自立は生活のなかで大きな意味を持つ。

ポータブルトイレの種類
 一番スタンダードな形は洋式便器型であるが、肘掛付や背もたれ付、手すり付などがある。
 多くのものは、ベッド際や部屋の隅などに置いて使用されている。携帯用であるから、戸外で利用されているものもある(キャンプやヨットなど、アウトドアスポーツの仮設トイレとして)。

○スタンダード型ポータブルトイレ
 プラスチック製で、本体と汚物受け(バケツ)、汚物受けのふた、便座、外ぶたで構成される最も一般的なタイプである。

○木製いす型ポータブルトイレ
 木製のいすの形をしていて、座面の下に便座が隠されている。家具調の雰囲気をもつので、部屋の中での違和感が少ない。いすの肘掛や背もたれがそのまま利用できるので、着座や立ち上がりの動作を助けている。しかし、持ち運ぶには重量があり、便座も木製のものは、清潔感がたもちにくい。

○コモードタイプポータブルトイレ
 四脚型のステンレスパイプで作られたものが多く、輸入品がほとんどである。海外ではこれをサニタリールームに置いて、シャワーチェアーとしても利用している。
 可動式の肘掛や、脚部の高さ調整などは移乗動作をしやすくしている。丸洗いできるので衛生管理もしやすい。


ポータブルトイレの選択について
○選択のポイント
 使用する人の身体の状態・使用環境・介助者との関係などがポイントとなる。特に利用する人の身体の状態はよく観察しないといけない。尿意があるか、つかまり立ちができるか、ポータブルトイレに移乗
できるか、排泄行為より、ポータブルトイレまでの移動と移動動作を考えての選択となる。

○手すりの必要性と環境づくり
 ポータブルトイレの利用者は移動動作が困難な人が多い。そのため移動動作には必ず手すりが必要となる。ボータブルトイレ単体での使用はできる限り避け、移動・移乗の安全のために手すりを配備する。
※このように、ポータブルトイレを使うことにより、排泄の自立を促し、オムツの使用を避けることができる。


 ポータブルトイレは、県総合福祉センター東棟1階福祉用具展示場に数多く展示してあるので、ご利用ください。また、ポータブルトイレについてもっと知りたい場合は、沖縄県介護実習・普及センター
電話 882-1484までお問い合わせ下さい。 

(上部欄外)
グレーゾーン商品
 一般の工業商品としてハンディーのある人にもない人にも広く使いやすい商品


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福祉情報おきなわVol.110(2006.11.1)
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