地域福祉権利擁護事業
 
~高まるニーズにこたえるために~

 
金銭管理や福祉サービスの利用援助等で利用者の生活を支えてきた「地域福祉権利擁護事業」(以下、「本事業」)は、平成11年10月の事業開始から今年で9年目を迎えます。
 今号では、沖縄県における本事業の傾向や今後の動向・課題について紹介します。


図・相談件数・実利用者数推移、実利用者内訳表

相談件数・実利用者数・顕著な伸び


 
沖縄県における相談件数と実利用者数は、全国でも上位に入る程顕著な伸びを示しており、平成18年12月現在、1万7千件近くに上る相談(平成18年4月以降)と350件を超える実利用者数を上げています(図1)。これは、本事業が地域で高齢者や障害者の生活を支える事業として定着してきた結果だと認識しています。
 相談件数・実利用者の内訳を見ると、共に認知症高齢者の割合が多く、次いで精神障害者・知的障害者の順となっています(図1参照)。 
 全実利用者の内、生活保護世帯の割合は54・3%になります。その内訳を見ると、認知症高齢者利用者の内、59・7%(約6割)が生活保護世帯となっています。精神障害者については65・7%で、精神障害者利用者全体の約7割が生活保護世帯となっています。



利用増加が見込まれるのは・・・

 
高齢者に関しては、国の施策として「介護型」の療養病床が段階的に廃止されます。退院される方全てが判断能力に不安のある方ではないと思われますが、県内で要介護認定を受けた対象者のうち、8人に1人が何らかの認知症の症状を抱えているとの調査結果(県高齢者福祉介護課調べ)があります。このことから、退院された方々が在宅等へ生活の場を移行することになれば、本事業の利用ニーズは増すものと思われます。
 また、精神・知的障害者に関しても、障害者自立支援法や県の推進する精神障害者退院促進支援事業の施行により、障害者の地域移行が本格化する中で、障害者の権利を擁護し、地域における自立した生活の支援を行う社会資源の一つとして、本事業への期待が高まっています。


強化される支援体制

 
以上のような社会情勢を背景に、本事業の支援体制強化が図られます。平成19年度からはより地域住民に利用しやすい制度となるように、事業名称も「日常生活自立支援事業」へと変更されます。また今後、相談窓口(基幹的社協)を全国で140ヶ所増やし、相談体制の強化を目的に、大幅な予算増が図られることになりました。


高まるニーズに応えるために・・・

 
これまで述べたとおり、本事業への期待はますます高まっている中、複雑な問題を抱える利用者も増加傾向にあり、一人ひとりに適した細やかなサービスが求められています。
 また、事業開始以降、利用者は毎年増加傾向にありますが、潜在化しているニーズは多数存在していると考えられ、今後各市町村社協との連携はもとより、関係機関・団体との連携・協働による権利擁護システムの構築が課題となっております。

 



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福祉情報おきなわVol.112(2007.3.1)
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