かりゆし長寿大学校特別公開講座
高齢者の健康といきがいづくり及び地域活動の担い手を養成することを目的として開校している沖縄県かりゆし長寿大学校の講座をより多くの方々に受講できるよう、遠隔地の高齢者を対象とした特別公開講座を去る7月17日、沖縄県立宮古青少年の家大研修室及びプレイホールでニュースポーツ普及啓発講座と併せて開催し、60名以上の方々が参加した。最初の講義では、NPO法人調査隊おきなわ理事長の親川善一氏による「地域づくり~自ら考え、自ら行う~」の講義が行われた。戦後70年右肩上がりの経済が終焉し「物」の時代から「人」へ社会は変化してきた。地域や集落は豊かになったものの、地域での繋がりが薄くなってきた現在、私たちはどのような地域おこしができるのだろうかと親川氏は問いかけた。北部地域で集落から起業した共同売店を事例に挙げ共同売店の地域での必要性や大型店舗にはない特色などを紹介した。「共同売店で売っていたのは物ではなく心を通わす場であった。売店を失うことにより地域で失ったものは多い」「利益だけを追求するのではなく共益を重視しこれからの地域を活性化させることが必要」だと伝えた。
講師の親川氏 講義の様子
人生経験豊富な受講者がこれまでの経験を地域に活かし、これからの時代に合った「共同売店」を復活させる必要があるのではないかと提案し、さらにこれからは環境や貧困問題など様々な社会的課題に向き合いビジネスとして解決していく「沖縄型ソーシャルビジネス」の創造をしていこうと提示した。受講者からは「地域で生活していく上で、数多くの課題がありこれからいろいろ考えなくてはいけない」「具体的な内容で楽しく変化に富んだ講義で大変良かった」などの感想が寄せられた。
ニュースポーツ普及・啓発講座
続いて、プレイホールにて県レクリエーション協会会長の浦崎猛氏による「ニュースポーツ(実技)」の講義が行われた。
最初に「うちなーぐちラジオ体操」にて、準備運動を行った後、ラダーゲッター・ディスゲッター9・スカットボール・ディスクゴルフの4つの用具について説明が行われた。受講者は4つのグループに分かれてそれぞれの用具を体験し、最初はなかなかうまくできなかった方も何度か体験するうちに目標の的に入れることができるようになり、「初めて体験した。」「なかなかおもしろい。」等の声もあり、参加者は楽しく汗を流した。
浦崎氏によるストレッチ指導
講義の最後には、グループ対抗の「スピードラダーゲッター」を実施した。
「ラダーゲッター」は、通常個人戦で、ひもで繋がっているゴムボールを、点数が表示された3本のハシゴ(ラダー)に向かって投げ点数を競い合うが、「スピードラダーゲッター」は、先に3本すべてのハシゴ(ラダー)にゴムボールをひっかけたチームが勝利となる。グループ対抗方式を用いて競技を行った。勝利したチームからは歓声があがり、会場は最高に盛り上がった。
スカットボールを体験 スピードラダーゲッターを体験
浦崎氏は、「ニュースポーツは単に新しくできたスポーツという意味ではなく、誰でも・楽しくできることを重視している。健康を維持するための生涯スポーツとして活用してほしい」と講義を締めくくった。