県民児協 広報・情報紙 ふ く ら し ゃ 第16号

 沖縄県児童委員活動第2次強化推進運動研究協議会 報告
▲研究協議会の様子

 昨年4月より沖縄県児童委員活動第2次強化推進運動が全県下で展開されています。この取り組みの拡充を図ることを目的に、8月に研究協議会を開催しました。
 今号では、その中で報告のあった4人の実践報告をダイジェストで紹介します。


世代間交流事業 ~南城市大里民児協~
 報告者 島袋恵美子氏
 私たち南城市大里民児協では、第2次強化推進活動において、児童とのコミュニケーションを児童委員活動の活性化方策として位置づけています。活動も年々盛んになり、地域行事の中で児童との交流も自然に芽生えてきました。また、南城市大里では、社協の「いきいきサロン」がボランティアの協力の下、とても活発に行われています。こうした機会を生かして、世代間交流を多く取り入れています。

 例えば、敬老会や忘年会等で子ども達に余興をしてもらったり、慰霊の日にちなんで戦争体験の話を聞かせたりします。夏休みには、昔のオモチャづくりから、おやつづくり、豆腐づくりなども始まりました。 また、いきいきサロンや1人暮らし老人宅の訪問、清掃、老人クラブの皆さんとのゲートボールで交流も行っています。

 そして現在では、各地域で特性を生かしたさまざまな活動が行われています。

 嶺井地域のいきいきサロンでは小学校が近くにあり小規模校で学年1クラスのため、学年ごとに交流をしています。島ことば学習、七夕まつり、戦争体験学習、この他にもゲームや踊りなどの交流をしています。いきいきサロンの会場には児童生徒から寄せられたお礼の手紙や写真がたくさん貼られています。

 湧稲国では民生委員が地域の書記を兼務していて、その役職を生かして地域全体での交流を行っています。老人クラブとのゲートボールや独居老人宅の訪問、清掃など行っています。また、地域の有志やPTAと共にクリーン作戦も行っています。

 大城地区では菜園作りに取り組んでいます。最初は民生委員が中心となっていましたが、今では学年ごとに畑を分け、高齢者の方に植え付けを指導してもらいました。その後、PTAに畑を引き継ぎ、ボランティアや高齢者の方々が植え付け、草とり等の手伝いを行っています。

 この世代間交流を通し、地域の中でお互いに面識を持つことによって、声かけがしやすくなり、声をかける事によって、地域が元気になり、子ども達の課題も少なくなっていくと思います。



地域でパトロール活動

 報告者 与那覇勝子氏
 私たち宮古島市第2民児協は月4回のパトロール活動を行っています。また、主任児童委員パトロールや月1回の関係機関とのパトロール活動も随時行っています。

 活動内容は、子どもとコミュニケーションを意識しながらの公園や子どもの遊び場点検、通学路や公園等における安全見守りの実施、また、交通安全期間中の交通指導とあいさつ指導を実施しています。

 パトロール中はゴミやタバコの吸殻を拾ったり、公園でたむろする高校生への指導も兼ねているので子どもたちへの意識付けにもつながっていると思います。

 この活動で大切にしていることは、地域民生委員と主任児童委員が連携し、お互いが持っている情報を共有することです。協力者の確保や関係機関団体との連携については、宮古警察署生活安全課と連絡を密にしながら活動を進めています。情報を集め、共有していくためには、民児協、民生委員が積極的に関係機関の行事へ参加することが大切だと思います。

 宮古島市では月1回、主任児童委員と関係機関の情報交換および研究協議会を行っています。また今年6月には「宮古島市教育相談員連絡協議会」も発足し、連携強化が進められているところであります。

 地域パトロール時の工夫点としては、警察から配布されたユニフォーム、帽子、腕章を着用することです。このことで地域や学校、子ども達へのアピールにもつながっています。

 活動をしていて気づくことは、地域住民の公共施設へのマナー向上が十分図れていないことです。公園でのゴミのポイ捨て、落書き等はパトロールを通して継続して指導していきたいと考えています。同時に地域安全マップ確認・再点検にも取り組んでいこうと思います。

 これからも、「気づき・つなぎ・築く」を合言葉に、地域の見守りを支援していきます。


子どもの居場所づくり活動 ~那覇市第3民児協~
▲熱心に薬草を調理する子どもたち
 報告者 知念栄子氏
 那覇市第3民児協では今回、学校・保育園・児童館とうとうと連携を深めて、若い母子の子育てや子どもの夢を育むためにはどう向き合えばよいのかを考え、一歩踏み出してみました。

 「探してみよう、沖縄の野草・薬草」をテーマに、保育園や学童の親子に参加を呼びかけ、近くの公園等で野草を摘み、皆で持ち寄った身近な食材で料理講習会を開きました。53名が参加した今回の企画では、タンポポの葉、オオバコ、ヨモギ、サシグサ、レモングラスなどを採集して、てんぷらやひらやーちーなどを調理しました。
 あわせて、押し花をラミネートして「思い出持ち帰り作品」を作ったり、野草・薬草の効能の話を聞きながらの食事会も実施しました。

 今回の活動に至ったきっかけは、核家族に対して私ができることを考え、もっと親と子どものふれあう場を作っていこうと思ったからです。 

 また、活動において工夫した点は、車の通らない排気ガスを吸っていない薬草を摘むことや、料理時に化学調味料は一切使わないという点に配慮しました。

 「子どもの居場所づくり活動」を行ったことで、参加者からは、「親子で楽しく会話をしながら食事ができ、親子同士の交流も深まった」という声や、「食べられる薬草の判断ができるようになった」、「民生委員の活動を知ることができた」等の声が寄せられ、収穫の多い活動となりました。


宮里地域子育てサロン ~沖縄市第2民児協~
 報告者 喜屋武 磯江 氏
▲宮里地域子育てサロン活動の様子
 子育てに悩む親は少なくありません。そこで沖縄市では、社協と民協の共同事業として「地域子育てサロン」のモデル活動を実施しました。

 宮里自治会(かりゆし福祉連絡会)の全面協力を得て、平成17年2月に「宮里地域子育てサロン」を立ち上げました。毎月第3木曜日の午前10時から正午まで公民館で定例活動を行い、13回の開催で延べ約360人の参加がありました。

 「子どもは子供同士!ママはママ同士!気軽におしゃべりに来ませんか!親子で楽しみながら仲間作りを!」をキャッチフレーズに参加者を募っています。

 当日は、ママたちの料理講習会(おやつ作り・離乳食作り)や小物作り、母子保健推進員による紙芝居、民生委員児童委員やボランティアによる絵本の読み聞かせ、指遊び、また、子ども同士で自由なおもちゃ遊び等で楽しく過ごしています。

 毎回、市保健師の協力で健康面や栄養面での子育ての情報提供があります。また、ピクニックに行ったりもします。

 参加者は子育てを共通の話題として悩み相談や談笑することで、心の安らぎにつながっています。これからもこうした和を広げていくことで「子育てサロンが」大きな力となっていくことでしょう。

 今後は、広報活動にも力を入れ、「子育て応援団」が身近にあることを多くの若い母親に知ってもらいたいです。



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福祉情報おきなわVol.110(2006.11.1)
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