(セミナー報告)11.19~20

  県経営者協議会主催

 「コーチング実践講座   
 ~イヒ君のチバリヨー!コーチング~」


  今注目されているコーチングってどんなもの?
  コーチングスキルを使ったコミュニケーション能力の向上からもたらされる効果
  ちょっとした意識改革で組織が変わる!
 「経営者の想いが職員に上手く伝わらない」「利用者のニーズを上手く引き出すためには」等といったコミュニケ-ションに関する悩みはどこの職場でもよく聞こえてくるものです。
 沖縄県経営協では、サービスの質の向上や職員のモチベーションアップなど、組織の活性化や改善を図るうえで欠かすことのできない「コミュニケーション能力の向上」に関する講座を開始し、今年度は近年注目を集めている「コーチング」に焦点を当てました。
 一見「あたりまえ」のことのようですが、誰もが忙しさの中で忘れかけているようなこと・・・
 コミュニケーションを「意識的」に行い、そのちょっとした意識改革でもたらされる組織改善のためのキーワードを講義内容から抜粋し、以下に紹介していきたいと思います。
※写真①「楽しくわかりやすい講義が参加者に好評であった。石井俊男氏(旭化成アミダス㈱」

良好なコミュニケーションを築くためには自分を知ること!から

キーワード①
  「他人は変えられなくても自分が変われば環境は変えられる」
 良好なコミュニケーションを行ううえで「自分はどんな人間であるか」「どんな行動特徴をもっているか」を知ることはとても重要です。石井先生曰く「人は誰でも自分はどんな人間であるかというイメージ(自画像)を持っており、その自画像とは『自分にとって都合の良い自分』」であるとのことです。
 今回の講座では、まず「エゴグラム」を利用して自我状態を知ることから始め、職場での普段の自分の姿を振り返っていただきました。
キーワード②
  「ストロークを実践し自分や部下を褒めよう!」
 もう一つ、コミュニケーションにおいて重要なキーワードが「ストローク」です。ストロークとは、話しかけられたり頷かれたりすることも含め、「その人の存在や価値を認めるための言動や働きかけ」と定義されています。
 講座の中では、参加者同士で向い合い「相手を褒める」演習を実践しました。石井先生は「人の成長に欠かせない健全な精神の発達には「心の栄養物」が必要不可欠であり、「褒める」ことが相手の中にある最高のものを引き出す。すなわち人材育成につながるのだ」ということを強調されていました。

コーチングの基本スキルとは?

キーワード③
  「『答え』はその人自身の中にある」
 コーチングとは、様々な捉え方がありますが、今回の講座では「相手の中にある可能性を引き出し、自発的な行動を促進させ、その人の夢や目標の実現をサポートするコミュニケーション・スキル」と定義されています。
 石井先生はここでも「組織の中で起こりうる様々な課題を解決するための『答え』は、組織や個人によって、場合によってみな違います。そしてその「答え」を引き出すためには適切なサポートが必要なのです」と強調されていました。
キーワード④
  「傾聴のスキル」の重要性
 上で述べた「答え」を最大限に引き出すために効果的なスキルの一つに「傾聴のスキル」があります。
 「傾聴」とは、相手の話を心をこめて真剣に聴き取る姿勢(感心や共感)でありますが、石井先生曰く「人間は本来『自分が聞きたいように人の話を聞き、感じたいように感じてしまう』のだということです。
 参加者アンケートからも「普段、部下や同僚の話を充分に聴く時間が持てていたのだろうか」、「相手の話を聞き出そうとしながらも頭ごなしに指示していたのでは」との「気づき」の意見が多く聞かれました。
 その他にも「質問のスキル」「直感のスキル」「確認のスキル」「承認のスキル」等のコーチングスキルを、組織の中で「意識的に」実践することにより、コミュニケーション能力の向上において様々なメリットがもたらされるのだということを、2日間に渡り丁寧に解りやすくご講義いただきました。
 今回のセミナーは、得られたスキルを参加者が自組織へ持ち帰り、効果的に活用していただけるように「経営者と職員のペア」を原則とし受講していただきました。
 社会福祉法人を取り巻く経営環境が大きく変化し、経営者・職員が同じ目標(理念)に向かい利用者から望まれる質の高いサービスを提供し続けるためには、組織の活性化や改善が必要不可欠です。
 ※写真②「2日間の受講を終えた参加者への修了証書の授与式」
 石井先生が講義の中で強調されていた「今の状況を嘆いたり不満を言うだけではなく、今ある資源(職員・ハード面・サービス等のソフト面を含めて)をいかに活かしてこの厳しい時代を乗り切っていけるか!そこを考えなければ前に進めないのです」という言葉がとても印象的でした。
 参加者アンケートからも「初心にかえり、ほめることを通じて職員のやる気を引き出していきたい」、「人を変えようとする前に自分が変わりたい」など多くの前向きな意見が聞かれました。
 さらに、全体的に先生のご講義にたいして「楽しかった!」「元気がでました」「仕事の面だけではなく、自分の人生にも活かしたい」など、2日間を通してコーチングスキルの習得のみならず、日々の自分の姿や上司との関係などをじっくりとみつめ直す機会にもなったことが伺えました。

 県経営協では、今後もセミナー参加者の意見を参考にしながら、会員法人の組織改善に向けた取り組みを支援するための研修を企画していきたいと考えています。

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福祉情報おきなわVol.117(2008.1.1)
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