県民児協広報情報誌-第23号-
ふくらしゃ

~暮らしに福をもたらす人~

退任挨拶 ~民生委員児童委員活動を終えて~
    沖縄県民生委員児童委員協議会 前会長 上間幸弘

あけましておめでとうございます。
 私は、昨年11月末の一斉改選をもって晴れて定年を迎えました。民生委員・児童委員に委嘱されてから、皆様には長年、大変お世話になりましたことをこの場をかりてお礼申し上げます。
 地域の委員より教職を退職後に声がかかり、「微力ながら地域のお手伝いを」と思ったのが平成5年に委嘱を受けたきっかけであります。
 このような私が、単位・地区・県の民生委員児童委員協議会において会長職を任されたとき、大きな不安で一杯でした。しかし、その不安も「仲間とともに」を実践してきた自信により、すぐに解消されました。
 会長の職責の遂行は、委員活動の重要性や担う使命の重さを改めて学ぶ大変良い機会でもありました。それと同時に、多くの仲間との出会いや福祉課題を抱える世帯とのかかわりを通して、今では私自身が人間として成長させていただいたと本当に感謝しています。
 福祉活動は決して一人でできるものではございません。抱えている福祉ニーズひとつをとっても、生活困窮から起こる子どもの教育問題など複数の福祉的課題を有している場合が多々あります。多くの関係機関や福祉サービスを提供する方々と連携して支援がスムーズに行えるよう日ごろから関係づくりに努めましょう。また、困難なケースに関して委員同士で勉強会を行ったりして支援者としての技術の向上と課題の共有にも努める必要があります。
 最後になりますが、民生委員児童委員活動は皆様の人生をより有意義なものにしてくれる活動であります。また、これまで経験してきたことを活かす場所でもありますし、地域には民生委員児童委員を必要としている人々がたくさんいます。今後とも、多くの同僚委員とともに地域福祉の推進のためにご尽力賜りますようお願い申し上げまして、私の退任の挨拶とさせていただきます。

新会長 年頭の挨拶
 沖縄県民生委員児童委員協議会   会長 宮国 泰雄

あけましておめでとうございます。

 近年、児童や高齢者への虐待、高齢者の悪徳商法被害や孤独死、そして子どもが被害に遭う犯罪やいじめによる自殺などの痛ましい事件が連日のように報じられています。
 このような事件が発生する背景には地域社会にあって、住民相互の助け合いやつながりが希薄化し、悩みや不安を抱えたままでいる人々が少なくないこと、また、核家族化の進行により世代間の交流や子ども達と地域との関わりが少なくなっていることも影響しております。
 私たち民生委員児童委員は人権を護り、常に住民の立場に立って相談・支援活動を展開していく中で、地域社会での支え合う関係を築くことが期待されております。
 あらためて、住民の立場に立つということの意義や民生委員・児童委員に求められる今日的な役割について、私たち自らが考え、新しい時代に対応すべく活動と組織の改革を進め、民生委員・児童委員がお互いに研鑚を深めていくことが大切であります。
 今後も、県内全委員のお力とお知恵を結集して、組織の充実・強化に資することは無論、地域における人と人とのつながりを築き、誰もが住み慣れた地域で安心して自立した生活がおくれる社会の実現に向けて努力してまいりたいと存じますので、なお一層のご支援、ご協力をお願い申し上げまして、私の年頭の挨拶とさせていただきます。

 皆様には、ご健勝にて平成20年の新春を迎えられましたことと、心からのお慶び申し上げます。
 ご承知のとおり、今年は大正6年に民生委員制度の起源とされる済世顧問制度が岡山県で創設されてから90周年を迎えました。長きに渡り培われてきた民生委員児童委員活動も時代の要請を受け様々な変容をなしてきたところでございますが、皆様方におかれましては、常日頃から地域福祉の向上にご尽力いただいていることに対し、心より敬意を表します。

民生委員・児童委員に関わる地方への権限委譲について

 昨年12月1日には、3年に1度の一斉改選が行われました。今回は、1,964名(平成19年12月1日予定数)の方々に厚生労働大臣から民生委員・児童委員及び主任児童委員として委嘱状の交付がなされました。

 この厚生労働大臣による委嘱は、生活保護法などの社会福祉関係諸法への行政協力が国家的に重要であることを踏まえ行われてきた経緯もあり、民生委員・児童委員の皆様もこれを誇りとして、日夜地域住民の福祉向上が図られるよう活動を展開してまいりました。実は、この大臣委嘱の権限を地方分権の流れから、市町村長もしくは都道府県知事へ移譲する動きが、全国市長会を中心として国の「地方分権改革推進委員会」に提起されました。

 全民児連では、仮に権限委譲がなされた場合、全国に配置されている民生委員・児童委員の特性が損なわれ、市町村による活動格差等を生む懸念があり、その不利益を地域住民や要援護者が受けることになりかねないと強い危機感を持ち、10月9日の緊急理事会において全国市長会及び全国町村会の関係役員、同31日の緊急評議員会において各都道府県の市長会及び町村長会、市町村長に対して大臣委嘱堅持の要望を行うことが決議されました。このことから、本県においても昨年10月中旬から11月末までに県市長会及び県町村会へ、各市町村段階においても当該首長に対して要望行動を行いました。(本県の要望行動結果等は下記のとおり)
 本案件は、民生委員制度の根幹をゆるがす重大な課題であるとの認識にたち、今後も引き続き「地方分権改革推進委員会」の議論の行方に注視する必要があります。
◆要請結果(概要)◆

1.要請市町村数  31箇所(41市町村中 75.6%)

2.要請内容

3.市町村長との面会の有無

面会状況 実施数
市町村長本人に面会 26市町村
(83.9%)
副市町村長等代理者に面会 4市村
(12.9%)
要望書を担当部局に提出 1町
(3.2%)

4.要望結果や反応

結果・反応 実施数
大臣委嘱堅持に賛成 24市町村
(77.4%)
深い理解を得た 6市町村
(14.6%)
理解を得た 1町
(2.4%)
不明・否定・委嘱堅持次反対 0
(0.0%)
要請先 ヶ所数 実施率
10 90.9%(11市中)
8 72.7%(11町中)
13 68.4%(19村中)
県市長会・県町村会

 ◇ 要望 ◇

1. 民生委員・児童委員への厚生労働大臣委嘱の堅持が必要

 ①民生委員・児童委員の厚生労働大臣による委嘱は、生活保護法などの社会福祉関係諸法への行政協力が国家的に重要であることを踏まえ行なわれてきており、民生委員・児童委員自身もこれを誇りとして職務遂行にあたってきている。
 ②厚生労働大臣委嘱は、法務大臣委嘱の保護司、人権擁護委員と同様であり国家的にもその重要性を配慮した措置である。
 ③民生委員・児童委員はすべての地域に担当区域をもち配置されており、権限委譲が行なわれた場合、全国に配置されていることによる特性は損なわれるとともに、市町村による活動格差等を生む懸念があり、その不利益を住民・要援護者が受けることになりかねない。

2. 欠員補充の迅速化・効率化への対応

民生委員・児童委員の欠員補充の迅速化・効率化は必要であるが、推薦手順は公平・中立な人員の確保・選考が行なわれるよう配慮がなされるべきである。

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福祉情報おきなわVol.117(2008.1.1)
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