県民児協広報情報誌 - 第22号 -
ふくらしゃ
~暮らしに福をもたらす人~
小規模離島出前研修会(9/6・南大東村)
今回は南大東村民児協出前研修会の中で、「要保護児童対策地域協議会について」と題し、協議会立ち上げに関わった伊平屋村民児協 東江会長の講義が行なわれました。
【 要保護児童対策地域協議会に向けた民児協の関わりについて 】
伊平屋村民児協会長 東江三秀
◆要保護児童対策地域協議会立ち上げの背景
児童虐待では、被害者である子どもの安全確保、加害者である親への指導・援助など総合的支援が必要とされ、単独の個人や機関ではとても対応できない場合が多く、児童虐待のケースワークには、地域機関のネットワークは欠かせません。また、関係機関が地域ネットワークを構成して、情報や認識の共有化を図るとともに、相互の緊密な連携によって一体的な援助を行うことが重要になります。
援助を行なう機関もさまざまで、それぞれ固有の機能と限界があり、このため一つの機関だけで対応してもうまく行かない場合が多く、たとえば、児童委員として親の相談にのっている中で、保育所の利用や生活保護の適用、保健師による訪問指導や医療、就労援助などが必要になってきます。
さらにネグレクト(養育放棄)の場合、保護者が虐待を隠そうとする傾向が強いため、子どもがどのような状況に置かれているかを常に複数の人でチェックしていく必要があります。子どもが安全な状況に置かれているか、今すぐ親子分離を図る必要があるのかどうか、総合的、客観的に判断しなければならないし、これを一つの機関の判断だけで行なうことは避けなければならないと思います。
児童福祉法改正と合わせて2005年4月から、各自治体に「要保護児童対策地域協議会」の設置が法定化されたことにより、関係機関が共通認識をもって関わっていく必要性から、村の子ども家庭相談窓口の担当者を定例会に招き、村民児協から協議会立ち上げを要請しました。また、学校側ともネットワーク設置に向けて、その目的や理念、対象、機関の選定回数や内容、個人情報保護や守秘義務の問題等について事前話し合いによる連携強化を図っていきました。
「児童福祉法の精神から虐待の防止は予防にある…」とするならば、児童虐待の早期発見を促進する地域支援ネットワークづくりは緊急の課題といえ、志を立てるに遅きはないと思います。伊平屋村に要保護児童対策地域協議会の結成をみることができたことは、大変意義深いものがありますし、本協議会が次世代を担う児童の健全育成のために、本来の機能を発揮することを願ってやみません。
◆民児協の対応に限界
家庭的に厳しい養育環境におかれている児童と母親への支援は、家庭のプライバシーを尊重することと子どもの利益を守ることのバランスが難しく、学校側の対応や児童委員の見守り活動にも限界があり、根本的な問題解決には至っていませんでした。そこで、各関係機関のチームプレイによる援助が必要となり、住民課と民児協が主軸となってネットワークの立ち上げを進めていきました。
また、協議会立ち上げにより情報の共有化が図られ、実際のケースをどう援助していくのか、どのように役割分担をするのか、また、緊急時にどう対応していけばいいのかを実務者会議で話し合い、「実務者会議・指針」策定の基に、ニーズ対応を明確化することにより、児童委員活動の位置づけを明確にすることができました。
◆要保護児童対策地域協議会の意義
1.早期発見の力を養う
子どもに関わる関係者が一堂に会し、子ども虐待の研修会や情報交換等によって認識を高め、早期発見の力を養うことができます。
2.情報の共有化
多くの職種から出される情報が共有されると、虐待が疑われる家族の問題点や家庭機能のアセスメント(評価・査定)をより深く行なうことができます。
3.役割分担
各機関の役割を知ることで、それぞれの役割に沿って迅速な対応が可能となり無駄のないサービス・援助ができ、また、援助システムを構築することにより、介入プログラムの土台をつくることができます。」
最後になりましたが、日本には他の国に類をみない「母子保健」という素晴らしい行政サービスが確立しています。今や、養育支援の担い手は助産師、保健師だけでなく、看護師、保育士、家庭児童相談員、主任児童委員、児童委員、母子推進委員などに広がっています。このような人材をどのように活用し、虐待予防に活かすかということが、今、ネットワーク(協議会)に求められている課題と認識しています。
地域住民との信頼を引き継ぐ
~ 一斉改選に向けての引継ぎの準備を考える ~
今年の12月に民生委員・児童委員の一斉改選が行なわれます。退任される予定の民生委員・児童委員は、これから12月までの間に、後任の民生委員・児童委員への引継ぎのためにどのような準備をすればいいのでしょうか。
★引継ぎはなぜ必要か。
たとえば、地域で問題を抱えている住民のことが、新任の民生委員・児童委員に引き継がれなかったら場合のことを考えてみましょう。こうした場合、新任の民生委員・児童委員は、当然、適切な支援をすぐに行なうことができません。その結果、住民とトラブルを起こしてしまうことがあるかもしれません。これでは、住民の立場に立った対応とは言えませんし、また、新任の民生委員・児童委員にとっては、住民との信頼関係を築くにあたって最初からつまずいてしまいます。民生委員・児童委員の新旧交代に際しては、地域住民への支援が途切れることのないよう、円滑な引き継ぎが行なわれることが何よりも大切です。
★引き継ぎのポイント
ポイント①
福祉票などは、退任前までに点検を行い、最新の情報が反映されているようにし、新任民生委員・児童委員が、すぐに活動できるようにしておきましょう。
ポイント②
単に書類を引き継ぐだけではなく、それまでの活動の経験に基づく、きめ細やかな状況・動向も引き継ぎましょう。ただし、常に客観的な情報を伝えるよう留意しましょう。
ポイント③
民生委員・児童委員活動に必要のない住民のプライバシーに関わることは引き継ぎません。
ポイント④
初めのうち新任の民生委員・児童委員は、どう活動してよいのかよく分からない状態です。活動の内容をできるだけ具体的に説明し、活動の範囲や心構えなどについてアドバイスをしてあげましょう。
ポイント⑤
新任の民生委員・児童委員と一緒に支援している地域住民宅を訪問したり、あるいは自治会などの集まりに出席したりして、新任の民生委員・児童委員を紹介し、引き継ぎ後、新任の民生委員・児童委員が円滑に活動できる環境を整えましょう。
ポイント⑥
引き継ぐべきことは、住民との信頼関係です。一朝一夕にはできないことですので、退任しても後任の民生委員・児童委員が相談に来たら、アドバイスするなどサポートしてあげましょう。
ポイント⑦
交代の予定がない民生委員・児童委員でも、この一斉改選の機会に諸票を整理してみると、現在の状況を客観的に把握できて、自分の活動の役に立ちます。ぜひ、一度整理してみてください
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| 福祉情報おきなわVol.116(2007.11.1) |
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