【報告】市町村社協常務理事・事務局長会議

1/29 「市町村社協常務理事・事務局長会議」報告

沖縄県社協では、平成30年1月29日、県総合福祉センターにおいて「市町村社協常務理事・事務局長会議」を開催した。この会議は、市町村社協を取り巻く情勢等に関する情報共有と今後の対応について協議することを目的に毎年開催しているもので、今年は「THANKS(サンクス)運動」の目指すビジョンの共有と「地域における公益的な取り組み」の推進等をテーマに開催した。

はじめに、県社協新崎地域福祉部長より「サンクス運動の立ち上げの経緯と実施体制について」と題した基調報告を行った。この中で、社会的孤立が県内の福祉課題となる中、全県的な運動として取り組む必要性から、県内18の福祉関係機関が推進主体として参加する運動がスタートした経緯や運動の目指す方向性について報告がなされた。

続いて、かみざと社会福祉研究所の神里博武氏より「サンクス運動に期待すること」と題した基調講話があった。この中で、これまで社協が運動体として果たしてきた役割を振り返りながら、社会的孤立の解消・防止への対応に止まらず、小地域福祉活動の推進を通じた支え合いの地域づくりをすすめることが重要であるとの提案がなされた。

その後、実践報告として、平成27年度から3年間を指定して行う「社会的孤立対策モデル事業」を実施する今帰仁村及び糸満市の両社協からモデル事業の成果と課題について報告があった。今帰仁村からは、地域相談窓口の設置をはじめ、子ども・若者の自立支援、本モデル事業を通じた役職員の意識改革などの成果について報告があった。また、糸満市からは、ボランティア応援センターふらっと」の設置をはじめ、生活困窮者支援や子どもの居場所づくり事業との連携、さらには主体性のあるボランティアとのパートナーシップなどの成果について報告があった。

午後からは、「滋賀の縁(えにし)創造実践センター」所長の谷口郁美氏より、「だれもが『おめでとう』と誕生を祝福され、『ありがとう』と看取られる地域づくり~滋賀の縁創造実践センターの4年間~」と題して講義が行われた。この中で、谷口氏は、滋賀県において社会福祉法人、地域住民、社協などの様々な団体が協働してフリースペースや子ども食堂などの活動を実践している状況を紹介した。そして、「社会福祉の父」といわれる糸賀一雄氏の言葉を引用しながら「『自覚者が責任者』。一緒にやってみる中でつながりが生まれる。やってみないと楽しさも生まれない」と力を込めた。

その後、研究協議として、社協と施設経営法人が連携・協働して公益的な取組みを進めるための現状や課題、各市町村社協における公益的な取り組みに関する情報発信等について協議を行った。

参加者からは「福祉施設と調整し、子どもの夜の居場所づくりをすすめたい。」「地元に持ち帰って参考にしたい」といった感想が寄せられた。沖縄県社協では今回の会議の成果を踏まえ、来年度以降のさらなる事業の推進に取り組んでいく考えである。
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(写真)午後の講義の様子